成功する基本のお菓子
スポンジケーキのよくある失敗といえば
「膨らまない」や「ダマになる」ことではないでしょうか?
失敗の原因を知って、ふっくらと高さのある、
キメの整ったおいしいスポンジケーキを作りましょう。
膨らまない原因
- ・卵を温めずに泡立てた
- ・卵の泡立てが足りない
- ・卵を泡立てすぎた
ダマになる原因
- ・小麦粉をふるわなかった
- ・泡立てた卵に小麦粉を入れる際、
よく混ぜなかった
日持ち期間:冷蔵で3日、冷凍で1週間
材料(直径18cmの丸型1台分)
- ・卵 150g(3個)
- ・細目グラニュー糖 95g
- ・薄力粉 スーパーバイオレット 90g
- ・はちみつ 10g
- ・牛乳 30g
- ・北海道よつ葉バター 食塩不使用 30g
下準備
1.薄力粉をふるう。
粒子の細かい薄力粉は湿気を含みやすいため、しっかりとふるうことにより、
ダマになるのを防ぐことができる。
【 失敗の原因はここ! 】
下準備もあなどるなかれ。ふるわずに粗いままの薄力粉を使うとダマになる原因に。
2.型の底と側面に紙を敷く。
3.オーブンを170℃に温める。
焼成温度より高く設定し、庫内の温度低下を防ぎ、焼きムラをなくす。
4.牛乳とバターをボールに合わせておく。
水分と油分は混ざりにくいので湯煎にかけ乳化させる必要があるため、その準備をしておく。
5.卵は常温に出しておく。
常温にしておくと砂糖と混ざりやすくなる。
作り方
- 1 -
ボールに卵とグラニュー糖を入れて
泡だて器で混ぜながら湯煎にかける。
・グラニュー糖を溶かすには、卵を30~35℃(低め
のひと肌)に温めながら混ぜるのがベスト。
・夏場や室温が高い場合、約30℃で湯煎からは
ずす。
・卵黄に含まれる脂質は、泡立ちにくい性質だが、
温めることで粘度が弱まり泡立てやすくなる。
【 失敗の原因はここ! 】
卵は温めないと泡立ちにくく、泡立てが十分にできないと膨らまなくなってしまう。- 2 -
はちみつも湯煎にかけ、“1”の卵に
加え、よく混ぜる。
・はちみつや水あめは保湿力があるため、加えると
スポンジ生地がよりしっとりする。
・ない場合はグラニュー糖を10g増やす。
- 3 -
牛乳とバターを湯煎にかけ、約60℃に保温しておく。
・低すぎる(30℃)と粘性が強く混ざりにくい。
・高すぎると(100℃)卵の気泡を壊しやすく、
スポンジ生地が粗く仕上がるので注意!
- 4 -
“2”の卵をハンドミキサーの高速で3分半~4分、白くもったりとして、生地が途切れず流れ、 跡が残りゆっくり消えるくらいを目安に泡立てる。
・ハンドミキサーの羽は、ボールに対して垂直に下
し全体的に大きく円を描くように回しながら混ぜ
る。
・生地が途切れるまで混ぜないように注意!きめが
粗くなる原因となる。
・生地が途切れてしまったら、ゴムべらに換えて
混ぜるとゆるむ。
- 5 -
ハンドミキサーを低速にして、2分半~3分回し、卵の気泡を均一にする。
・均一で細かい状態だとこの後の工程により気泡が
壊れるのを防ぎ、きめ細かく焼きあがるので丁寧
に。
・爪楊枝を立てしばらく倒れないくらいがベスト。
【 失敗の原因はここ! 】
“4”も同様に、卵を混ぜすぎても、混ぜが足りなくても膨らまない原因になるので、目安をしっかり守る。
- 6 -
ふるった粉を1度に入れて、ボールの側面にゴムべらを垂直に立て、 向こう側から中心を通り、手前に動かし、ボールのふちまで持ち上げたら手首を返し、生地を内側に落とすように混ぜる。
・ボールを回転させながらテンポよく。
・ボールのふちからふちまでまんべんなく生地を
大きく押し出すように。
・約40回、粉気がなくなるまで混ぜるのが目安。
【 失敗の原因はここ! 】
ここでの混ぜが足りないと、ダマになってしまう。- 7 -
温めておいたバターと牛乳をゴムべらに受けながら全体に広げ混ぜる。
・慣れない場合バターと牛乳のボールに少し生地を
入れ混ぜ、元の生地に戻して混ぜる方法でも可。
・つやのあるきめの細かい生地にするため、
約80回よく混ぜる。
- 8 -
型に生地を流したら2、3回型ごと落として大きな気泡を消す。
- 9 -
160℃のオーブンに入れ35分焼く。
・オーブンの機種や形態により、焼成温度や時間に
多少差が出るので注意。
- 10 -
オーブンから出してすぐ30cmの高さから型ごと落とし、生地の水蒸気を抜く。
・焼き縮みを減らすため、少しでも早く作業する。
- 11 -
ケーキ網の上にひっくり返し、型から外し粗熱を取る。粗熱が取れたら元に戻し、完全に冷ます。
スポンジケーキを使ったお菓子、トライフル
トライフルの作り方
スポンジを3枚にスライスし、2cm×2cmにカットする。
ホイップクリームもしくはチーズクリームを作り、カップにスポンジ、
フルーツ、クリームの順に入れ、2段にしフルーツ、ミント、ピックを飾る。
ホイップクリームの作り方と泡立てのコツ
冷蔵庫で保存した生クリームを使用し、ボウルを氷水に入れて泡立てるときめの細かいクリームになる。
チーズクリームの作り方
クリームチーズ130gに
グラニュー糖30g、
ラム酒5gを入れ泡だて器でよく混ぜ、
生クリーム150gを少しずつ入れ泡立てるように混ぜる。
筆者紹介
石川さくら
地元の洋菓子店、イタリア料理店を経て東京へ。
京都に本店を持つイタリアンなどで勤務した後、和食や洋菓子などのメニュー開発、
レシピ提供等を手掛ける。
現在、大阪市内のレストランに勤務する傍ら、簡単に作れるカジュアルな料理と
お菓子の教室「mamma kitchen」を主宰。