成功する基本お菓子
第10回目はシュークリームには欠かせない、
卵黄と牛乳をたっぷり使ったバニラ香る「カスタードクリーム」です。
「ダマができる」や「焦げる」といった失敗の原因を知り、
滑らかでコクのある口溶けの良い、カスタードクリーム作りをマスターしましょう!
前回学んだ「シュー生地」と合わせて絶品シュークリームを作ってみてくださいね!
ダマができる
- ・卵黄と砂糖をしっかり混ぜていない
- ・鍋での加熱が不足
(薄力粉にも火が通っていない) - ・牛乳の温め温度が低い
焦げる
- ・火加減が強すぎた
- ・加熱時に絶えずまんべんなく
混ぜていない
カスタードクリームのレシピ
日持ち期間:冷蔵庫で2日
下準備
1. 最終工程で裏漉し後のカスタードを早く冷やすため、ボウルに氷を入れて冷やしておく。
冷やすことでクリームに粘りが出る。乾燥を防ぐ為にラップする。
2. 薄力粉とコーンスターチをふるっておく。
ダマが出来やすいのでよくふるう。
【 失敗の原因はここ! 】
この時点できちんと粉がふるえていないと卵黄とも混ざりにくく、ダマが出来る原因となる
作り方
- 1 -
鍋に牛乳を入れ、バニラビーンズを裂いて種をこそぎ取り、さやも入れ弱めの中火にかける。
- ・なるべくゆっくり加熱することで、バニラビーンズの香りが牛乳にうつる。
-2-
卵黄にグラニュー糖を入れ、よく混ぜる。
- ・卵黄にグラニュー糖を入れたら、すぐによく擦り混ぜる。
【 失敗の原因はここ! 】
卵黄にグラニュー糖を入れたらすぐに混ぜないと、卵黄の水分を砂糖が吸ってダマになるので手早く混ぜること
- 3 -
卵黄が白っぽくなるまでしっかり混ぜる。
- ・しっかり混ぜることにより空気を含ませ、なめらかな口当たりにする。
- ・温かい牛乳を加えた時に、卵黄に火が入り過ぎないようにする為。
- 4 -
ふるっておいたコーンスターチと薄力粉を加えて、なじむまでしっかり混ぜる。
- ・後に、火にかけて加熱した際に粉にしっかり火が通るようによく混ぜておく。
- 5 -
沸騰直前まで温めた牛乳をボウルに少し入れて混ぜ、残りの牛乳も入れて泡だて器で混ぜる。
- ・卵黄と粉に素早く熱を通す必要があるので、牛乳は沸騰直前まで温める。
【 失敗の原因はここ! 】
卵は60℃、粉は80℃で糊化するので温度が低いと先に卵に火がはいってしまうため、口当たりが悪くなる
- 6 -
濾しながら(バニラビーンズのさやを取り出す)元の鍋に戻す。
- 7 -
鍋を中火にかけ、ゴムべらでクリーム状になるまで絶えず混ぜ続ける。
- ・鍋底が焦げやすいので休まずに混ぜる。
【 失敗の原因はここ! 】
火のあたりが強く混ぜが足りないと部分的に焦げやすく、風味も食感も損なわれるので注意する
- 8 -
粘りが出てきて、さらに加熱するとなめらかになり透明感が出てくる。
- ・沸騰してから2~3分加熱する。
【 失敗の原因はここ! 】
1度糊化してからさらに滑らかにするために加熱を継続する必要がある→糊化したでんぷんの粒子が壊れる「ブレークダウン現象」
- 9 -
火から下ろしバターを加えて混ぜ、完全に溶けるまでよく混ぜる。
- ・バターを入れることで、コクとつやがプラスされ風味が増す。
- 10 -
裏こし器で濾す。
- ・出来上がったカスタードを再度濾すことで、なめらかな口当たりのクリームになる。
- 11 -
ボウルにうつし、氷水で冷やす。
- ・そのまま冷やすと傷みやすいので氷水で急速に冷やす。
- ・表面が空気に触れると乾燥するので、ぴったりと表面をラップで覆う。
簡単アレンジ
<エクレア>
基本のシュー生地を細長く焼いたもの。
カスタードクリームに溶かしたチョコ20g加え、チョコカスタードを作る。
シュー生地の上部を横にスライスしコーティングチョコをつける。
下のシュー皮にチョコカスタードを絞り、上の部分をのせふたをする。
エクレアパーチにのせてケーキピックを付ける。
<分量>
(チョコカスタード)
・牛乳 250g
・バニラビーンズ 2cm
・卵黄 3個
・グラニュー糖 60g
・コーンスターチ 10g
・薄力粉 10g
・バター 10g
・チョコ 20g
・コーティングチョコ 適量
筆者紹介
石川さくら
地元の洋菓子店、イタリア料理店を経て東京へ。
京都に本店を持つイタリアンなどで勤務した後、和食や洋菓子などのメニュー開発、
レシピ提供等を手掛ける。
現在、大阪市内のレストランに勤務する傍ら、簡単に作れるカジュアルな料理と
お菓子の教室「mamma kitchen」を主宰。