vol.11 タルト
"失敗"から学ぶ、成功する基本お菓子
第11回目は香ばしく焼けた「タルト」。
一緒に焼き込んだジューシーなフルーツ、トッピングしたクリームやフレッシュフルーツとの相性が抜群で、ケーキの中で一番好き!手作りタルトが憧れ!という方も多いですね。
焼けた生地が型から外したら「ボロボロ崩れる」「底が生焼け」という失敗がないよう、しっかり焼けたサクサクのタルトをマスターしましょう。
vol.11 タルト
"失敗"から学ぶ、成功する基本お菓子
第11回目は香ばしく焼けた「タルト」。
一緒に焼き込んだジューシーなフルーツ、トッピングしたクリームやフレッシュフルーツとの相性が抜群で、ケーキの中で一番好き!手作りタルトが憧れ!という方も多いですね。
焼けた生地が型から外したら「ボロボロ崩れる」「底が生焼け」という失敗がないよう、しっかり焼けたサクサクのタルトをマスターしましょう。
型から外したらボロボロ崩れる
・生地に空気が入っていてもろい底が生焼け
・焼成時間が不足(短い)1.バターは室温におき、柔らかくする
触って指がすっと入るくらいの柔らかさにする。冬場は室温が低く、なかなか柔らかくならない場合にはラップに包んでレンジで加熱するとよい。ただし加熱しすぎて溶けないように注意。(5秒おきに触って確認する)
【失敗の原因】
バターが固いままだと、他の材料と混ざりきらないバターの粒が残ってしまい、均一な焼き上がりにならない。
またバターをレンジで加熱して溶かしてしまった場合、再び固めて使用しても口当たりの悪い生地になる。
2.純粉糖、薄力粉はそれぞれ別々にふるう
ダマや不純物を取り除くために必ず行う。
【失敗の原因】
生地中に砂糖や粉のダマが残ってしまうと、なめらかな生地にならない為、均一な焼き上がりにならない。
3.全卵は室温に戻す
バターと混ざりやすいように、冷蔵庫から出したての卵は室温に置いておくとよい。
【失敗の原因】
冷たい卵をバターに加えると、バターと混ざりあわず分離してしまう原因に。うまく混ざりあうためには材料の温度を同じにしておく必要がある。
1.ボールにバター、塩を入れて混ぜる
ゴムベラで空気が入らないよう、練るように混ぜる。2.純粉糖を加えて混ぜる
1と同様、ゴムベラで空気が入らないように練るように混ぜる。【失敗の原因】
泡だて器を使用して混ぜると空気が入ってしまい、もろくて柔らかい生地になってしまう。焼成後、崩れる原因に。3.薄力粉を加えてゴムベラで切るように混ぜる
バターと薄力粉が混ざりあい、ボソボソした状態にする。バターと薄力粉がきちんと混ざりあうことで、次工程で卵を入れた際、グルテンがでるのを抑制することができる。ゴムベラについている生地がそのままにならないように、カードなどを使って落とし、材料全体が混ざるようにする。【失敗の原因】
ゴムベラについている生地がそのままの状態では、生地全体の配合が変わってしまい、本来作る生地とは全く違う生地なってしまう。4.全卵を加えて混ぜる
最初は切るように混ぜる。粉気がなくなったらボールの側面におしつけるようにして少しずつまとめるイメージ。5.生地をまとめる
材料がつながり伸ばしやすい生地にするために、なめらかになるまでしっかりと混ぜる。6.混ぜ終わり
生地がまとまり、ボールからはがれるようになったら混ぜ終わり。【失敗の原因】
混ぜすぎを気にして混ぜ不足になることが多い。また出来上がった生地を手でこねたり、丸めたり、触らないこと。手の熱でバターが溶けると、サクっとした食感にならない。【解説】フラワーバッター法でグルテンの少ない生地を作る
バターと粉類をあわせてから卵を加えるフラワーバッター法で作る生地はグルテンが出にくく扱いやすい。バターに空気が含まれていないので、固めのサクッとした食感になり、焼成した際に形が崩れにくいのが特徴。また生地にグルテンが少ないため、休ませる時間が短縮できるメリットも。生地が出来上がったらすぐに伸ばし、伸ばしてから冷蔵庫で休ませると効率よく作業ができる。1.出来上がった生地をすぐに伸ばす
出来上がった生地はすぐにOPPかクッキングシートで挟み、型の大きさより5cm程度大きく伸ばす。【失敗の原因】
分量外の打ち粉を多く使うと、焼き上がりの生地が固くなってしまう。OPPもしくはクッキングシートで挟むことで打ち粉不要で伸ばすことができる。2.3mm厚さにのばす
ルーラーを置いてめん棒を転がし、厚さを均等にする。【失敗の原因】
厚さが均等でないと、敷き込み(フォンサージュ)の際に破れたり、切れたりする原因になる。3.冷蔵庫で休ませる。
まな板など平らな板の上に置き冷蔵庫で最低1時間休ませる。【失敗の原因】
平らにして冷やさないと生地にひび割れが入ることも。冷蔵庫で冷やす時間が短いと敷き込み(フォンサージュ)の際に破れたり、切れたりする原因に。また焼成時に焼き縮みや焼きムラの原因となる。1.型の大きさに合わせてカットする
1時間以上休ませた生地を約23cmに切り取る。フライパンや鍋の蓋などを利用するとよい。カットする大きさは、(直径+型の高さ×2倍)より少し大きいくらいが目安。18cm型使用の場合は約23cm。【失敗の原因】
伸ばした生地が型より大きすぎると余分な生地が邪魔をしてフォンサージュがしにくい。型に合わせた大きさにカットすると作業しやすい。2.軽く打ち粉(強力粉 / 分量外)をする
生地が手にひっつかないように軽く打ち粉をする。打ち粉が多かった場合には刷毛で余分な粉を払い落とす。【失敗の原因】
打ち粉が多いと焼き上がりの生地が固くなってしまう。3.敷きこむタイミングを見極め、手早く敷き込む
<底なしタルトリングの場合>
シルパンまたはクッキングパーパーの上にタルトリングをのせる。生地を敷き込みやすい温度(固さ)に調整し、生地の中心がずれないようにタルトリングの上にのせる。シルパンを回しながらやさしく生地を型の中に折り込む。<底付きのタルト型の場合>
生地を敷き込みやすい温度(固さ)に調整し、生地の中心がずれないようにタルト型の上にのせ、型を回しながらやさしく生地を型の中に折り込む。【失敗の原因】
冷蔵庫から出したての生地がカチカチになっている場合はすぐに敷きこむことはできない。生地が割れない程度に曲がる頃合いをみて、やさしく折り込む。無理に押し込んだりすると、生地の厚さが均等でなくなり、焼成時に焼き縮みや焼きムラの原因となる。また冷蔵庫で冷やす時間が短くても焼成時に焼き縮みや焼きムラの原因となる。夏場は生地がすぐに柔らかくなってしまうので、室温を低くするなど工夫が必要。4.余分な生地をナイフで切り落とす
冷蔵庫で1時間休ませたあと、生地が固くなってからナイフで切り落とすとカット面が綺麗な仕上がりに。型の上にでた余分な生地を型に平行に内側から外に向かってナイフで切り落とす。底付きのタルト型の場合は、均等に火が入るように底にフォークなどで穴をあける(ピケ)。【失敗の原因】
めん棒を転がして切り取ると生地の厚さが均等でなくなり、焼成時の焼きムラの原因になる。底付きのタルト型使用の場合は、フォークなどで穴を開けないと、底に空気が入り、空洞ができたり、生焼けの原因になる。【解説】底付きのタルト型と底のないセルクル(タルトリング)
底からもしっかり火が入るタルトリングがおススメ。更にシルパットを使用するとピケをしなくても均等に火が入り、焼き上がりが美しい。底付きのタルト型を使用する場合は、天板ではなく網の上に置くなどして火通りのよい環境を作るとよい。1.バターは室温におき、柔らかくする
触って指がすっと入るくらいの柔らかさにする。冬場は室温が低いのでなかなか柔らかくならない場合にはレンジで加熱するとよい。ただし加熱しすぎて溶けないように注意。(5秒おきに必ず確認する)
【失敗の原因】
バターが固いままだと、他の材料と混ざりきらないバターの粒が残ってしまい、均一な焼き上がりにならない。
またバターをレンジで加熱して溶かしてしまった場合、再び固めて使用しても口当たりの悪い生地になる。
2.純粉糖、粉類はふるう
純粉糖はふるう。アーモンド粉と薄力粉をあわせてふるう。ダマや不純物を取り除くために必ず行う。
【失敗の原因】
生地中に砂糖や粉のダマが残ってしまうと、なめらかな生地にならない為、均一な焼き上がりにならない。
3.全卵は室温に戻す
バターと混ざりやすいように、冷蔵庫から出したての卵は室温に置いておくとよい。
【失敗の原因】
冷たい卵をバターに加えると、バターと混ざりあわず分離してしまう原因に。うまく混ざりあうためには材料の温度を同じにしておく必要がある。
4.オーブンは180℃に予熱する
オーブンは予熱をし、そのまま10分程度空焼きしてしっかり温度をあげておく。
1.ボールにバターと粉糖を入れて混ぜる
空気を入れ過ぎないようにするため、ゴムベラでなめらかになるまで混ぜる。【失敗の原因】
泡だて器で混ぜ過ぎると、空気が入り過ぎて、タルト生地からアーモンドクリームが噴火したり、盛り上がりすぎてしまう。2.全卵の半量を加える
全卵は少しずつ加え、その都度バターと乳化させる。【失敗の原因】
一度に加えるとバターと馴染まず、分離してしまい、口当たりの悪い生地になる。3.ふるった粉類(アーモンド粉と薄力粉)の半量を加える
粉類の半量を加えたら、残りの全卵を2回に分けて加える。4.残りの粉類とラム酒を加えて混ぜる
1.パート・シュクレの上にアーモンドクリームを平らにする
フォンサージュしたパート・シュクレの上にアーモンドクリームをのせてスプーンなどで平らにする。天板の上で行う。2.180℃のオーブンで焼く
表面にしっかりと焼き色がつくまで焼成する。底なしのタルトリングの場合は35~40分程度、底付きのタルト型の場合は40~45分程度焼く。3.型をはずす
<底なしタルトリングの場合>
(1)焼き上がりすぐは柔らかいので、そのまましばらくおき、粗熱がとれたらシルパンにのせたまま網に出して冷ます。冷めたら網を外し、タルトリングをそっとはずす。<底付きタルト型の場合>
(1)焼き上がりすぐは柔らかいので、タルト型のまま網にだして、粗熱をとる。冷めたら網を外し、底板を持ち上げてタルト型の側面を外す。【失敗の原因】
焼きたてのタルトはとても柔らかいので、タルト型を外したり、移動するのは冷めてから行う。せっかく焼けたタルトが割れたり壊れたりしないように慎重に!基本のレシピをアレンジした焼き込みフルーツタルトをご紹介します。
<材料>
・基本のパート・シュクレ *上記分量とおり
・アーモンドクリーム *上記分量とおり
・あんず(缶詰)
・あんずジャム(仕上げ用)
<材料>
・基本のパート・シュクレ *上記分量とおり
・アーモンドクリーム *上記分量とおり
・洋梨(缶詰/半割) 5個
・アーモンドスライス(飾り用)
・あんずジャム(仕上げ用)
・ピスタチオ(飾り用)
<材料>
・基本のパート・シュクレ *上記分量の1/2量
・アーモンドクリーム *上記分量とおり
・フルティエール フォレストフルーツ 150g
・クランブル 30g
・粉糖(飾り用)
【ワンポイント】
フォンサージュは苦手!という方におススメ。究極のタルト。隈部美千代
東京・門前仲町にて、2006年7月より「贈るお菓子」をテーマとしたお菓子教室Sweet Ribbon主宰。お菓子作りを通して、手作りの楽しさや贈る喜び、優しい豊かな気持ちを伝えています。「タルト」失敗から学ぶ、成功するお菓子レシピ
© 2006 cotta Co., Ltd.