vol.14 フィナンシェ
"失敗"から学ぶ、成功する基本のお菓子
第14回目はバターがたっぷり人気の焼き菓子「フィナンシェ」。
焼きたてのフィナンシェは外側がカリっと香ばしく、内側がしっとりして、食感の違いを楽しめます。
時間がたつと全体がしっとりした味わいになりますが、上手に作ったフィナンシェは油っぽくなく、バターの美味しさが存分に味わえる焼き菓子です。
「底上げ、表面がまだら」「まわりが焦げる」という失敗がないよう、いくつかのポイントをマスターしましょう。
vol.14 フィナンシェ
"失敗"から学ぶ、成功する基本のお菓子
第14回目はバターがたっぷり人気の焼き菓子「フィナンシェ」。
焼きたてのフィナンシェは外側がカリっと香ばしく、内側がしっとりして、食感の違いを楽しめます。
時間がたつと全体がしっとりした味わいになりますが、上手に作ったフィナンシェは油っぽくなく、バターの美味しさが存分に味わえる焼き菓子です。
「底上げ、表面がまだら」「まわりが焦げる」という失敗がないよう、いくつかのポイントをマスターしましょう。
底上げ、表面がまだら
・生地の混ぜ過ぎまわりが焦げる
・材料が混ざっていない【ポイント】
味の決め手は焦がしバターとアーモンドプードル。フィナンシェ型について
・シリコン加工 フィナンシェ型天板 8ヶ付・アーモンドプードルと薄力粉は合わせてふるう
ダマや不純物を取り除くために必ず行う。【失敗の原因】
生地中に粉のダマが残ってしまうと、焼きあがってもそのまま残り、その部分が固くなる。・型にバターを塗る
柔らかくしたバターを刷毛で型にまんべんなく塗り、冷蔵庫で冷やす。使用直前に冷蔵庫から出し、塗り残しがあれば再度刷毛で塗る。【失敗の原因】
バターを塗り終わったあとは冷蔵庫に入れておく。室温に置いたままでは塗ったバターが溶けだして底にたまるなど、塗り残しができる。夏場は特に注意。・オーブンは190℃に予熱する
1.焦がしバター(ブール・ノワゼット)を作る
小鍋にバターを入れて中火にかける。バターが溶けはじめたら泡だて器で混ぜて完全に溶かし、弱火にする。【失敗の原因】
バターに火をかける際には、鍋の中のバターが常に均一な温度になるよう、絶えず泡だて器で混ぜる。均一な温度でないと、周りから温度があがり、黒く焦げてしまう。急に変化しないように弱火で行うのがよい。2.ボールに卵白を入れて泡だて器でほぐす
泡だて器で軽くほぐす程度。泡立てる必要はない。3.グラニュー糖を加えて混ぜる
グラニュー糖は一度に加えて、ぐるぐると円を描くように混ぜる。【失敗の原因】
泡立てる必要はない。泡立てて大きな気泡ができると焼きあがったフィナンシェがパサパサしてしっとり仕上がらない。4.ふるったアーモンドプードルと薄力粉を混ぜる
ふるったアーモンドプードルと薄力粉を一度に加え、泡だて器でぐるぐると円を描くように混ぜる。粉気がなくなればOK。【失敗の原因】
混ぜ過ぎると薄力粉のグルテンがでてしまい、焼き上りが固くつまった生地に。また底上げの原因となる。粉気がなくなればOK。必要以上に混ぜ続けないこと。5.焦がしバター(ブール・ノワゼット)を加えて、混ぜる
さらさらとした温かい液状のバターを一度に加える。沈殿物も加えること。泡だて器でぐるぐる円を描くように混ぜる。最初はバターが上面に浮いているが、全体にバターが混ざり、生地につやがでればOK。【失敗の原因】
バターの温度が低いと生地が均等に混ざらない。使用時のバターは温かくさらさらした液状。とろみがついたり、固まってしまった場合は湯煎などで温めて使用する。またバターが熱いのもNG。生地温度が高くなり、底上げの原因となる。使用時の温度は50℃程度。6.型に生地を入れる
スプーンで生地を型の9分目まで入れる。(絞り袋を入れて絞ると作業効率がよい)フィナンシェ型について
・シリコン加工 フィナンシェ型天板 8ヶ付【失敗の原因】
出来上がった生地はすぐに型に入れる。ボールの中にいれたまま放置すると生地温度が下がり、焼成中に分離したバターの脂肪分がでてきて周りが焦げる原因となる。7.190℃のオーブンで15分焼く
天板に型を置いて予熱したオーブンに入れる。焼成時間は目安。型の素材や大きさによって異なる。【失敗の原因】
薄い型のフィナンシェは、焼きすぎると生地の水分が奪われ、生地が固くなるので注意!8.焼きあがったら、網の上にひっくりかえし冷ます
焼きあがったらすぐに型から外す。台の上に叩きつけるとすぐに外れるので、網の上に取り出して冷ます。基本のフィナンシェのアレンジをご紹介します。
隈部美千代
東京・門前仲町にて、2006年7月より「贈るお菓子」をテーマとしたお菓子教室Sweet Ribbon主宰。お菓子作りを通して、手作りの楽しさや贈る喜び、優しい豊かな気持ちを伝えています。「フィナンシェ」失敗から学ぶ、成功するお菓子レシピ
© 2006 cotta Co., Ltd.