vol.17 ラングドシャ
"失敗"から学ぶ、成功する基本のお菓子
第17回目は仏語で猫の舌という意味を持つ「ラングドシャ」。
本来は細長い形状のお菓子ですが、日本では正方形や丸型のラングドシャがよく売られています。
サクサクとした生地をチョコレートでサンドしたり、くるくる丸めてみたりと、アレンジが豊富なのもその薄い生地が成せる技。
「焼き色がまだら」「巻けない、割れる」という失敗がないよう、いくつかのポイントをマスターしましょう。
vol.17 ラングドシャ
"失敗"から学ぶ、成功する基本のお菓子
第17回目は仏語で猫の舌という意味を持つ「ラングドシャ」。
本来は細長い形状のお菓子ですが、日本では正方形や丸型のラングドシャがよく売られています。
サクサクとした生地をチョコレートでサンドしたり、くるくる丸めてみたりと、アレンジが豊富なのもその薄い生地が成せる技。
「焼き色がまだら」「巻けない、割れる」という失敗がないよう、いくつかのポイントをマスターしましょう。
焼き色がまだら
・均等な厚さに生地を伸ばせていない巻けない、割れる
・巻くのが遅い(生地が冷めた)・バターは室温におき、柔らかくする
触って指がすっと入るくらいの柔らかさにする。冬場は室温が低く、なかなか柔らかくならない場合にはラップに包んでレンジで加熱するとよい。ただし加熱しすぎて溶けないように注意。(5秒おきに触って確認する)【失敗の原因】
バターが固いままだと、他の材料と混ざりきらないバターの粒が残ってしまい、均一な焼き上がりにならない。・粉砂糖はふるう。アーモンドパウダーと薄力粉は合わせてふるう
ダマや不純物を取り除くために必ず行う。【失敗の原因】
生地中に砂糖や粉のダマが残ってしまうと、なめらかな生地にならないため、均一な焼き上がりにならない。網に残った材料も指で押さえてすべてふるう。網に残してしまうとグラム数が変わってしまうので注意。・卵白は室温に戻す
【失敗の原因】
卵白が冷たいとバターと馴染まず、混ざり合わない。(乳化しない。)・オーブンは180℃に予熱する
1.ボウルにバターを入れて混ぜる
ゴムベラで練るように混ぜる。2.純粉糖を一度に加えて混ぜる
ゴムベラで混ぜる。3.卵白を少しずつ加えて泡だて器で混ぜる
ほんの少しずつ加えて、その都度混ぜる。油(バター)と水(卵白)なので混ざりにくい。【失敗の原因】
卵白を一度に入れてしまうと分離した状態のままでクリーム状にはならない。また卵白が冷たくても混ざりあわず、乳化しないため、均一な焼き上がりにならない。食感が悪くなる。もしも失敗してしまったら…
このような状態になってしまった時は、ボウルの底を数秒湯煎につけて温め、泡だて器でしっかり混ぜる。ただし、湯煎につけすぎるとバターが溶けてしまうので、ほんの数秒つけて混ぜ、混ざらなければ再度数秒というように何回かにわけて行う。4.アーモンドパウダーと薄力粉を一度に加えてゴムベラで混ぜる
泡だて器で混ぜてもOK。粉気がなく、全体が均一に混ざるまで混ぜる。5.ラップをして30分~1時間程度休ませる
冬場は室温で、夏場は冷蔵庫に入れて休ませる。【失敗の原因】
生地を休ませることで混ぜた生地のグルテンが弱まり、焼き縮みを抑えることができる。すぐに焼いてしまうと形が崩れたり、底に空気が入って焼き色がまだらになることがある。6.休ませた生地をゴムベラで混ぜる
休ませた生地をゴムベラで混ぜ、全体の固さを均一にする。特に冷蔵庫に入れた際はしっかりと混ぜる。7.シルパットの上にプレートを置いて、生地を伸ばす
プレートの上にスプーンで生地を置き、スプーンの背で伸ばす。ドレッジを30度くらいに傾けてゆっくりと動かし余分な生地を取り除き、均等な厚さにする。【失敗の原因】
生地表面がデコボコだったり、均等な厚さでないと、焼き加減がバラバラになり、焼き色がまだらになる。(焦げたり、生焼けができたりする)8.180℃のオーブンで8分~10分焼く
シルパットを天板にのせて焼く。【失敗の原因】
数十秒で焼き色が変わるので、焼きすぎに注意。まわりが茶色くなったらOK。オーブンに入れて7分くらいたったらオーブンを覗いて焼き色を観察しながら、よい状態で取り出す。チョコレートをサンドする場合
2枚一組にしてチョコレートをサンドする。チョコレートは45℃程度(熱めのお風呂)のお湯で湯煎にして溶かす。【失敗の原因】
チョコレートの温度が高すぎるとなかなか固まらず、ラングドシャを重ねたときにはみ出したり、ずれたりする。湯煎の温度を45℃程度に保ち溶かすと、チョコレートの温度が高くなりすぎず、サンドしてすぐに固まる。シガレットを作る場合
菜箸を用意し、焼きあがった生地をひっくり返してすぐに巻きつける。1枚のプレートで12枚できるが、ひとりで作業する場合は5、6枚くらいまで。生地が固くなったら丸めることができない。【失敗の原因】
とにかく時間との勝負。すぐに作業しないと固くなってヒビが入ったり割れたりする。あっという間に固くなるので、生地は天板にのせたまま、なるべく熱い状態が続くようにしておくとよい。基本のラングドシャのアレンジをご紹介します。
ステンレスのコロネ型を使用し、三角の形にしたラングドシャにチョコレートを詰めます。ピスタチオをトッピングするとかわいいプチフールの出来上がり。
シガレットと同様、焼きあがったら手早く形を作ります。
ほんのちょっとの手間で見た目もぐんとアップします。上級者の方は、中心の空洞にチョコレートを詰めても◎
2枚重ねでは物足りないという方は3枚重ねがおススメ。さらに表面をデコレーションすればボリュームたっぷり、豪華なお菓子になります。
プレゼントにぴったりなクッキー缶。隙間なくラングドシャを詰め込んで♪
隈部美千代
東京・門前仲町にて、2006年7月より「贈るお菓子」をテーマとしたお菓子教室Sweet Ribbon主宰。お菓子作りを通して、手作りの楽しさや贈る喜び、優しい豊かな気持ちを伝えています。「ラングドシャ」失敗から学ぶ!成功するお菓子レシピ
© 2006 cotta Co., Ltd.