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vol.20 ダックワーズ

"失敗"から学ぶ、成功する基本のお菓子

第20回目は、外側がさくっと歯切りよく、中はふっくら食感の「ダックワーズ」。
メレンゲを泡立てて粉類を混ぜるだけのシンプルレシピですが、メレンゲの泡立て方、メレンゲと粉類を混ぜた最終生地の状態で出来上がりが大きく変わります。また表面にふる粉糖も焼き上がりを左右する大きなポイント。
「形が崩れる」「広がる・薄い」という失敗がないよう、いくつかのポイントをマスターしましょう。

ダックワーズのよくある失敗

形が崩れる

・生地が均等な厚さに伸ばせていない
・シャブロン型が上手く抜けない

広がる・薄い

・メレンゲの泡立て不足
・最終生地の混ぜ過ぎ
・オーブンの温度が低い

失敗しないダックワーズの作り方

所要時間…焼き上がりまで1時間30分

保存…保存容器やOPP袋に入れて、1週間程度

材料

ダックワーズ16個分

・卵白 90g
細目グラニュー糖 40g
アーモンドパウダー 65g
純粉糖 30g
薄力粉 15g

下準備

・卵白はボウルに入れて、冷凍庫で冷やす

洗浄して水分、油分がついてないボウルを使用する。
ボウルに接している部分がシャリシャリに凍るくらいまで冷凍庫で冷やす。
しっかり冷えた卵白を泡立てると、キメの細かい気泡がたくさん出来て安定したメレンゲになる。

【失敗の原因】

卵白を入れるボウルに水分や油分がついていると泡立ちが悪くなるので注意。
また、冷凍庫で冷やしていない卵白で作ると、泡立ちはよいが、大きな泡が出来て泡立て過ぎて離水したり、粉類と混ぜるとすぐに泡が消えてしまい、ふっくらとした生地にならない。

・アーモンドパウダー、純粉糖、薄力粉は合わせてふるう

粉類はボウルに入れてスプーンなどで混ぜ合わせてからふるう。
あわせてふるうことでアーモンドの油分が粉糖に吸われて、メレンゲの泡を消すのを防ぐ。(油分には泡を消す作用があるため)

また卵白の水分を粉糖が吸収することにより、メレンゲの泡を消さずに混ぜることができる。

【失敗の原因】

粉類をふるわないと、砂糖や粉のダマが残ってしまい、均一な焼き上がりにならない。網に残った材料も指で押さえてすべてふるう。網に残してしまうとグラム数が変わってしまうので注意。

また別々にふるうのではなく、合わせてからふるうこと。アーモンドパウダーの油分には泡を消す作用があるため、アーモンドパウダーだけをメレンゲに加えると泡が消えてすぐに混ぜ過ぎの状態になってしまう。


・オーブンは180℃に予熱する

出来上がった生地はしっかり予熱したオーブンに入れる。

【失敗の原因】

予熱をしていないオーブンに入れると、オーブンが充分に温まるまで時間がかかり、焼成時間が長くなる。必要な水分が蒸発して、生地が膨らまない、焼きあがった生地が固い、ふっくらしていないなどの原因になる。

作り方

1.卵白とグラニュー糖をハンドキミキサーで泡立てメレンゲを作る

ボウルを少し手前に傾けて卵白を泡立てる。
しっかり泡立った卵白にグラニュー糖を3回に分けて加えて、キメの細かいメレンゲを作る。
ツノがピンと立ったらOKのサイン。

【失敗の原因】

最初から卵白にグラニュー糖を入れてしまうと、泡立ちが悪く、出来上がったメレンゲにボリュームがないため、ふっくらとした生地にならない。卵白だけでしっかり泡立ったところにグラニュー糖を加えてふわふわのボリュームあるメレンゲを作る。

2.粉類を一度に加えて混ぜる

ゴムベラで底をすくいあげるように混ぜる。粉類が均等に混ざりあい、生地にツヤが出ればOK。
混ぜ過ぎた生地の状態。
左:混ぜ不足で焼き縮んだ生地
右:成功した生地

【失敗の原因】

混ぜ不足、混ぜ過ぎに注意。

混ぜ不足で粉類がメレンゲに混ざりあっていないと均等な焼き上がりにならない。また気泡が多いとオーブンに入れた後最初は膨らむが、焼き上りは焼き縮んで膨らみが足らずふっくらとしない。生地にツヤがでるまで混ぜる。

逆に混ぜ過ぎは気泡が消えてしまい、オーブンに入れると横にだらっと広がり、上に膨らまない。出来上がった生地はねちっとしている。

3.シルパットの上にシャブロン型を置いて、生地を伸ばす

シャブロン型は内側に霧吹きで水をかけて濡らして、内側以外の水を拭き取る。
生地を絞り袋に入れて、絞り袋の先端をハサミで切る。小さいと泡を消してしまうため、穴は大きめがよい。
隙間ができないよう、シャブロン型から少し高いくらいまで絞り入れる。
パレットナイフで生地を押し込んでから、余分な生地をすりきり、表面を平らにする。
型が外しやすくなるため、型と生地の間を竹串などで1周する。型をしずかに持ち上げて外す。

【失敗の原因】

生地表面がデコボコだったり、均等な厚さでないと、綺麗な形に焼きあがらない。シャブロン型は水でぬらしてから使用すると生地離れがよくなる。
また、シャブロン型を外す際はそっと真上に持ち上げる。

4.表面に粉糖(分量外)を茶こしで2度ふるう

表面を覆うように茶こしで粉糖をふる。少しおいて砂糖がとけたら2回目も同様にふる。
1回目の粉糖が溶けた状態。
2回目の粉糖をふるう。

【失敗の原因】

粉糖は表面を覆うようにふる。2回目は1回目の砂糖が溶けてからふること。粉糖の量が少なかったり、粉糖が溶けていないと、焼き上がった表面に小さな砂糖の粒(お菓子用語でペルル=真珠)ができず、さくっとした食感に欠ける。

*溶けた粉糖がオーブンに入れるとシロップになり、それが結晶化してペルルとなる。シロップで表面を覆い、膜をはることで外側がさくっとした食感となる。

5.180℃に予熱したオーブンで20分焼く

シルパットを天板にのせて焼く。

【失敗の原因】

予熱をしていないオーブンに入れると、オーブンが充分に温まるまで時間がかかり、焼成時間が長くなる。必要な水分が蒸発して、生地が膨らまない、焼きあがった生地が固い、ふっくらしていないなどの原因になる。

簡単アレンジ

ダックワーズのアレンジをご紹介します。

ガナッシュサンド

バタークリームを挟むことが多いダックワーズですが、チョコレートと生クリームで作るガナッシュを挟んでも美味しいです。

<材料>基本のダックワーズ16個分
クーベルチュールミルクチョコレート 40g
生クリーム 40g

1.ガナッシュを作る。

チョコレートはボールに入れて湯煎で溶かす。
生クリームは耐熱容器に入れてレンジで沸騰させる。(600W 30秒程度)
チョコレートに少しずつ生クリームを加え、都度泡だて器で混ぜ、ツヤのあるガナッシュを作る。

【ポイント】

ガナッシュはダックワーズ生地を作る前に作り、冷蔵庫に入れておくと、絞りやすい固さになる。
作り立てのガナッシュを使用する場合は、ボールの底を氷水で冷やして絞れる固さに調整する。

2.ガナッシュをサンドする

2枚一組にしてガナッシュをサンドする。絞り袋に入れて1枚のダックワーズの裏面に絞る。(口金不要、先をカットする)
1枚に付き約10gが目安。もう1枚を重ねる。

3.完成

保存は密閉容器やOPP袋をしっかりとめて冷蔵庫で。1週間程度は美味しくいただけます。
OPP袋に入れてシールを貼ればプレゼントにもぴったりです。

<ラッピング>
OPP袋
帯シール

ヘーゼルナッツのダックワーズ

基本生地のアーモンドパウダーの代わりにヘーゼルナッツパウダーを使ったダックワーズ。
アーモンドよりも濃厚な味わいに。丸く絞ってコーヒー味のガナッシュを挟みました。

<材料>直径4cm 36枚

・卵白 90g
細目グラニュー糖 40g
へーセルナッツパウダー 65g
純粉糖 30g
薄力粉 15g

クーベルチュールミルクチョコレート 40g
生クリーム 40g
・インスタントコーヒー 2g

<道具>
マカロンガイドマット

1.基本のダックワーズ生地の作り方を参照にして、へーセルナッツのダックワーズ生地を作る

粉類をふるった際、ヘーゼルナッツの皮が網に残る。皮は捨てずに粉類に加える。

2.シルパットに丸く絞る

マカロンガイドマット丸を使用すると均等に絞れる。

3.粉糖を2回ふるう

4.180℃で15~18分焼く


5.ガナッシュを作る

ガナッシュの作り方はガナッシュサンドの作り方を参照。
インスタントコーヒーは生クリームに加えてレンジで沸騰させ、チョコレートに加える。

6.ガナッシュをサンドする

2枚一組にしてガナッシュをサンドする。絞り袋に入れて1枚のダックワーズの裏面に絞る。(口金不要、先をカットする)
1枚に付き4~5gが目安。もう1枚を重ねる。

7.完成

抹茶のダックワーズ

基本の生地に抹茶を加えた抹茶ダックワーズ。
挟むガナッシュにも抹茶を加えて、ちょっぴりほろ苦い味に仕上げます。

<材料>16個分
・卵白 90g
細目グラニュー糖 40g
アーモンドパウダー 65g
純粉糖 30g
薄力粉 10g
抹茶 5g

クーベルチュールホワイトチョコレート 50g
生クリーム 30g
抹茶 2g

1.基本のダックワーズ生地の作り方を参照して、抹茶のダックワーズ生地を作る

アーモンドパウダー、粉糖、薄力粉、抹茶は合わせてふるう。
底をすくいあげるように混ぜる。
さらに混ぜる。
ツヤがでたらOK。

2.ガナッシュを作る

ガナッシュの作り方はガナッシュサンドの作り方を参照。
抹茶はふるって生クリームに加えてレンジで沸騰させ、チョコレートに加える。

3.ガナッシュをサンドする

2枚一組にしてガナッシュをサンドする。絞り袋に入れて1枚のダックワーズの裏面に絞る。(口金不要、先をカットする)
1枚に付き10gが目安。もう1枚を重ねる。

4.完成

筆者紹介

sweetribbon

隈部美千代

東京・門前仲町にて、2006年7月より「贈るお菓子」をテーマとしたお菓子教室Sweet Ribbon主宰。お菓子作りを通して、手作りの楽しさや贈る喜び、優しい豊かな気持ちを伝えています。

Sweet Ribbonホームページ http://michiyokumabe.com/

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