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vol.25 型抜きクッキー

"失敗"から学ぶ、成功する基本のお菓子

第25回目は、小麦粉や砂糖が焼けた香ばしさとバターの香りが美味しい「型抜きクッキー」。
初心者向けのお菓子に見えますが、意外と難しいものです。
「形が崩れる」「表面がまだら」という失敗がないよう、いくつかのポイントをマスターしましょう。

型抜きクッキーのよくある失敗

形が崩れる

・型抜きの生地が柔らかいまたは固い
・生地の厚さが均等でない

表面がまだら

・打ち粉が多い
・塗り卵の量が多い

失敗しない型抜きクッキーの作り方

所要時間…焼き上がりまで1時間30分(冷やす時間は除く)

保存…保存容器や缶、瓶、OPP袋に入れて、1週間程度は保存可能

*湿気るので乾燥剤と一緒にしっかりと密閉して保存する。

材料

基本の型抜きクッキー30枚分

無塩バター 100g
0.5g
・レモン皮 1/4個分
バニラペースト 1g
純粉砂糖 50g
薄力粉 150g
・全卵 20g

下準備

・バターは室温におき、柔らかくする

ゴムベラがすっと入るくらいの柔らかさにする。冬場は室温が低く、なかなか柔らかくならない場合にはラップに包んでレンジで加熱するとよい。ただし加熱しすぎて溶けないように注意。(5秒おきに触って確認する)

【失敗の原因】

バターが固いままだと、他の材料と混ざりきらずにバターの粒が残ってしまい、均一な焼き上がりにならない。
また、バターをレンジで加熱して溶かしすぎてしまった場合、再び固めて使用しても口当たりの悪い生地になるので要注意。

・レモンの皮は黄色い表皮だけをすりおろす

・純粉砂糖と薄力粉は別々にふるう

ダマや不純物を取り除くために必ず行う。特に純粉砂糖は湿気で固まっていることがあるので、ふるいにかけて粉状にしておくこと。

【失敗の原因】

生地中に砂糖や粉のダマが残ってしまうと、なめらかな生地にならない為、均一な焼き上がりにならない。網に残った材料も指で押さえてすべてふるう。網に残してしまうとグラム数が変わってしまう。

・全卵は計量して室温に戻す


・オーブンは170℃に予熱する

作り方

1.ボウルにバター、塩、レモンの皮、バニラペーストを入れてゴムベラで練るように混ぜる

2.純粉糖を2回に分けて加え、混ぜる

その都度、ゴムベラでやさしく混ぜ合わせる。材料が混ざればよいのでゴムベラは激しく回さなくてもよい。

【失敗の原因】

ゴムベラを激しく回して攪拌してしまうと生地に空気が入ってしまい、出来上がりのクッキーが膨らんで割れたり、型崩れの原因になる。

3.薄力粉を2回に分けて加える

ゴムベラで切るように混ぜる。少し粉気が残っている状態で2回目を入れて、さらに切るように混ぜる。
ゴムベラについた生地はドレッジなどで落とす。

【失敗の原因】

薄力粉を入れてすぐにゴムベラを大きく回すと粉が飛び散る。
ボソボソとした状態になればOK。

4.全卵を一度に加えて混ぜる

ゴムベラで切るように混ぜる。水分がなくなったら、ゴムベラで生地をボールの側面におしつけるようにして生地をまとめる。

【失敗の原因】

混ぜすぎがNGだと思っているのがNG。しっかりとボールにおしつけて生地をまとめる。

5.厚さ5mmに生地を伸ばす

クッキングペーパーで生地を挟み、ルーラーを使用して5mmの厚さに伸ばす。クッキングパペーパーで挟むことで打ち粉が不要となり、分量外の粉が入ることを避ける。

【失敗の原因】

生地を手の上で丸めたり、こねたりしない。バターが溶けると食感が悪くなる。
また、めん棒がルーラーにあたるようにしっかり体重をかけないと厚さが均等にならない。両サイドにルーラーを置き、めん棒を中心から上、中心から下に動かして均等な厚さにする。

6.冷蔵庫に入れて冷やす

平らなまな板や天板などの上にのせてラップをし、3時間から一晩冷蔵庫に入れて休ませる。

【失敗の原因】

生地は冷蔵庫に入れてしっかりと冷やす。柔らかい生地は型で抜くことができない。

■クッキーの厚さについて

5mm厚さのクッキーは少し厚めでボリュームがある。3mmは薄く、型で抜く際に生地がすぐに柔らかくなり手速さがより必要となる。初心者さんには5mmがおすすめ。
2mmのルーラーを4本使用して2本重ねで4mm厚さにすると、5mm厚さのクッキー生地を伸ばすのにちょうどよい高さになる。

7.型で抜き、シルパットに並べる

夏場はすぐに生地が柔らかくなり、抜けなくなるのでなるべく素早く作業する。写真のように、交互に並べると火通りがよい。

【失敗の原因】

生地が柔らかいまま型で抜くと、手で触ると形が崩れる。途中、柔らかくなってしまった場合は、再度冷蔵庫に入れて固めてから抜く。

■2番生地、3番生地について

抜いたあとの生地はまとめて5mm厚さに伸ばし、再度冷蔵庫で冷やしてから同様に型で抜く。生地をまとめる際は、手でまるめたり、こねたりしないこと。

■クッキー型について

複雑な形状の型は抜くのは難しい。初心者さんは丸型や菊型、四角などからチャレンジするとよい。

8.塗り卵をする

全卵(分量外)は網で濾して使用する。生地の上面に刷毛で塗る。
塗り卵はお好みで。塗り卵をしない場合は、写真(左)のように、素朴な感じの風合いになります。

9.170℃のオーブンで20分、焼いて完成


【失敗の原因】

焼き色がついてない白っぽい状態では小麦粉や砂糖に火が入っていないため、甘ったるく、粉っぽいクッキーになってしまう。必ず焼き色がつくまで焼くこと。

オーブンによって焼成時間が変わるので、オーブンに入れて15分くらいたったらオーブンを覗いて焼き色を観察しながら、全体が茶色になったら取り出す。20分たっても白い場合は延長して焼く。

焼きムラができるオーブンの場合は途中で天板の上下を入れかえる。または焼き色がついたサブレから取り出すとよい。

簡単アレンジ

型抜きクッキーのアレンジをご紹介します。

いちごクッキー

基本のクッキーをいちご型で抜いて、チョコレートとフリーズドライいちごでデコレーション。

【材料】20枚分

無塩バター 100g
0.5g
・レモン皮 1/4個分
バニラペースト 1g
純粉砂糖 50g
薄力粉 150g
・全卵 20g

コーティングチョコ(ホワイト) 300g
いちごパウダー 10g
フリーズドライストロベリーピース 適量

【抜き型】
STADTER クッキー型 イチゴ

1.基本の作り方を参照にクッキー生地を作り、いちご型に抜いた生地を焼く


【失敗の原因】

いちご型は形状が複雑なので細いヘタの部分が折れやすい。指先で優しく押しながら型から抜く。

2.コーティングチョコレートは湯煎で溶かし、いちごパウダーを加えてピンク色にする


3.チョコレートの温度は35℃程度にする。(テンパリングは不要)

4.クッキーにチョコレートをつけてクッキングシートの上におき、フリーズドライストロベリーピースをのせる

コーティング用のチョコレートは全量使用するわけではない。残ったチョコレートはバットなどに流して固め、再度使用することができる。

5.冷蔵庫にいれて冷やし固めて、完成

プレッチェル

基本のクッキーをシナモン味に。全卵の一部を牛乳に変えると少し固めの食感になります。チョコレートコーティングしてワンランクアップのクッキーに。
バネ式のクッキー型は複雑な形でも簡単に抜けるのでおすすめです。

【材料】25枚分

無塩バター 100g
0.5g
バニラペースト 1g
純粉砂糖 50g
薄力粉 150g
・シナモン 3g
・全卵 10g
・牛乳 5g

コーティングチョコ(スイート) 300g

【抜き型】
バネ式18-8 クッキーカッター(プレッツェル)

1.基本の作り方を参照にクッキー生地を作り、プレッチェル型に抜いた生地を焼く。

薄力粉とシナモンはあわせてふるう。
全卵と牛乳はあわせて混ぜる。

2.コーティングチョコレートは湯煎で溶かす

チョコレートの温度は35℃程度にする。(テンパリングは不要)

3.クッキーをチョコレートにつけてフォークで取り出す。クッキングシートの上におく

コーティング用のチョコレートは全量使用するわけではない。残ったチョコレートはバットなどに流して固め、再度使用することができる。

4.冷蔵庫に入れて冷やし固めて、完成

筆者紹介

sweetribbon

隈部美千代

東京・門前仲町にて、2006年7月より「贈るお菓子」をテーマとしたお菓子教室Sweet Ribbon主宰。お菓子作りを通して、手作りの楽しさや贈る喜び、優しい豊かな気持ちを伝えています。

Sweet Ribbonホームページ http://michiyokumabe.com/

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