vol.27 速成折りパイ
"失敗"から学ぶ、成功する基本のお菓子
第27回目は、いろんなお菓子に使うことができる「速成折りパイ」。
手作りのパイ生地は難しいと、いつも冷凍パイシートを使用している方にぜひチャレンジしていただきたい作り方です。
「焼き縮みする」「膨らまない、層ができない」という失敗がないよう、いくつかのポイントをマスターしましょう。
vol.27 速成折りパイ
"失敗"から学ぶ、成功する基本のお菓子
第27回目は、いろんなお菓子に使うことができる「速成折りパイ」。
手作りのパイ生地は難しいと、いつも冷凍パイシートを使用している方にぜひチャレンジしていただきたい作り方です。
「焼き縮みする」「膨らまない、層ができない」という失敗がないよう、いくつかのポイントをマスターしましょう。
焼き縮みする
・生地を休ませる時間が短い膨らまない、層ができない
・材料を冷やしていない【失敗の原因】
材料が冷えていないと、バターが溶けて生地が固くなったり膨らまない。特に夏場はしっかりと冷やすこと。1.ボウルに薄力粉と無塩バターを入れてドレッジでバターを1~2cm角になるように切る
バターを粉でまぶしながら切ると切りやすい。2.別のボウルに冷水、グラニュー糖、塩、米酢を入れて混ぜ合わせる
3.2を1のボウルに加えて切るように混ぜる
季節(湿度)によって加える水分量が変わるため、水分を少し残して加えるとよい。途中、粉気が残る場合に残した水分を加えるようにする。【失敗の原因】
バターが溶けないうちに、手早く作業する。バターが溶けると生地が固くなったり、膨らまない。特に夏場は注意。4.ラップに包み、冷蔵庫で30分以上冷やす
ラップの上に出し、手の甲で押すようにして生地をまとめる。ラップを利用して押さえるとベタつかなくてよい。【失敗の原因】
生地を丸めたり、捏ねたりしない。バターが溶けると生地が固くなったり、膨らまない。5.めん棒で伸ばして三つ折りにする
台と生地の上面に打ち粉をする。冷蔵庫から出したての生地は少し固いので、めん棒で叩いて伸ばしやすくするとよい。生地の中心から力を均等にかけて上下にめん棒を動かす。【失敗の原因】
生地が台やめん棒にひっつく時は打ち粉をする。ただし打ち粉のしすぎは固くなったり、膨らみが悪い原因になるので、折り込みの際は、生地についた打ち粉を刷毛で落とすこと。6.90度向きを変えて伸ばし、4つ折りにする。
生地の向きを90度変え、打ち粉をし、めん棒で伸ばす。【失敗の原因】
生地の伸ばす方向に注意。グルテンがでて同じ方向には伸びないので、90度向きを変えることを忘れないようにする。7.ラップに包み、冷蔵庫で30分以上冷やす
8.再度伸ばして三つ折りにする
6で伸ばした向きを90度変えて5と同様に三つ折りする。9.90度向き変えて伸ばす。6と同様に4つ折りにする。
10.ラップに包み、冷蔵庫で30分以上冷やして完成
速成折りパイ生地の出来上がり。焼き比べてみました
左:焼き縮み速成折りパイの使い方をご紹介します。
1.休ませたパイ生地を3mm厚さに伸ばし、冷蔵庫で休ませる
出来上がったパイ生地を90度向きを変えて伸ばすと伸ばしやすい。途中生地が伸びなくなったり、伸ばしてもすぐに縮んだりする場合は一旦冷蔵庫で30分程度休ませてから再度伸ばすとよい。【失敗の原因】
使用する厚さ、大きさに伸ばしたら必ず冷蔵庫で30分以上は休ませてから次の工程へ。この場合は休ませてから型で抜く。すぐに抜くと生地が縮み、形が変わってしまう。2.抜き型で抜き、表面にグラニュー糖をつけ、天板に並べる
3.パレットナイフの先を利用して葉脈の模様をつけ、さらにグラニュー糖を表面にたっぷりつける
4.190℃のオーブンで20分程度しっかり焼き色がつくまで焼く
完成!1.休ませた生地を16cm×32cmに伸ばし8等分にする
少し大きめに伸ばして4辺をカットする。2.接着面に塗り卵をして、アーモンドクリーム、栗の渋皮煮をのせて包む。型に入れ、塗卵をしてオーブンで焼く
型に入れ、塗り卵(分量外)をして190℃のオーブンで30分焼く。3.焼き上がったらすぐにグラス・オ・ラムを刷毛で塗り乾かす
完成
2.チョコレートに巻き付け、天板に並べる
1本に付きチョコレート2本使用。3.表面に塗り卵(分量外)をして190℃のオーブンで20分焼く
完成
隈部美千代
東京・門前仲町にて、2006年7月より「贈るお菓子」をテーマとしたお菓子教室Sweet Ribbon主宰。お菓子作りを通して、手作りの楽しさや贈る喜び、優しい豊かな気持ちを伝えています。「速成折りパイ」失敗から学ぶ!成功するお菓子レシピ
© 2006 cotta Co., Ltd.