「おしゃれに見えるけれど、簡単なレシピ」として多くの著作が人気を集めている若山さん。自分のレシピをきっかけに、新しいお菓子の味に出会ってもらえることが何よりも嬉しいことだという。
「私の考えたレシピを、会ったことのない人が、知らないおうちで作ってくださっている。私の作った味がその家の味になって、もしかしたら、さらに、お子さんが『お母さんの味』だと思って自分でも作ってくれるかもしれない。そう考えるとすごく嬉しいですよね。私の本が、メモ書きだらけになったり、そのメモがにじんだりしてボロボロになっても持っていてもらえたら、本当に素敵なことだなぁと思うんです。もし私がレストランやカフェでお菓子や料理を作る人だったら、お店まで来なければ、私のレシピを味わっていただくことはできません。レシピだったら、食べたい時に自分で作ってもらえるでしょう? そこから作った人に好きなようにアレンジもしてもらえる。それは私にとって、すごくワクワクすることなんです。最近はツイッターやインスタグラムなどのSNSを通じて、実際に、『若山さんのレシピで作りました』というメッセージが写真と一緒に、届いたりもするんです。そんな写真や投稿を見る度に、とても幸せな仕事をしているなと心の底から思います」