取材中、通りがかりの人が「ここで、お茶は飲めるの?」と入って来た。スタッフが『すみません。ここは教室なんです』と丁重に断る。 代表の石川芳美さんは苦笑。「よく訊かれるんですよ」
カフェと間違えられるのも無理はない。入口の雰囲気に誘われるばかりでなく、ここではパンの作り方の他にコーヒーやハーブティー、ワインとチーズなどと共にパンをおいしく食べることも教えているため、居心地の良い雰囲気があるのだ。さらにはスペースの2/3以上を占める厨房の什器——天板が木製の作業台から小物類、冷蔵庫やオーブン、秤などすべてパリで使われている同じものが、プロ仕様ながら絵になる。
2015年春、同校に隣接して60席規模のブーランジェリーカフェをオープンする。朝7時から正統派のクロワッサンを熱いコーヒーと一緒に味わうことが出来るようになるわけだ。
「コンビニのコーヒーがおいしくなったと評判ですけれど、是非うちのコーヒーでクロワッサンを食べていただきたいですね」と、石川さん。
ランチは、いわく"カフェめしのフランス版"としてフランスらしいサラダや煮込み料理などパンによく合うメニューを提供するそうだ。内装は石と木、金属を組み合わせたアトリエスタイル。この『エコール・ルヴァン・ダンタン』と同じく、パリでオーナーをつとめるブーランジェリー『Maison LANDEMAINE Paris』のコンセプト「フランス伝統の、シンプルでおいしく品質の高いパンやビエノワズリー、ガトーを伝えたい」「本格的でおいしい、目と手と心でつくるパン」が貫かれるのだという。