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上霜考二/Koji Ueshimo
取材記事② パティシエたちの姿に、映画製作の現場で、再認識した「職人はカッコいい」

「フランスに行って初めて『食文化ってカッコいい』と思ったんです。今では日本にもパティシエという呼び名が浸透しているけど、僕の頃はまだケーキ屋も“水商売”のイメージだった時代。フランスへ行ったら向こうの一流の料理人は町の名士なんですよね。で、カッコいいなぁと。親が無理して出してくれた学費の中から価値もわからないまま三ツ星レストランへ行くようになりました。研修終わり頃には一週間に4軒行きましたね。辻静雄の哲学『一流を知れ』、その視点に立てたのかな。“おいしいもの”“良いもの”にどんどん興味が湧きました。」


上霜さんにインパクトを与えた「ザッハトルテをめぐる裁判」とは−−

1832年、オーストラリア帝国宰相に仕える料理人の一人だった16歳のフランツ・ザッハーが「貴族たちのための新しいデザートを」との令に応えて作ったケーキ。たちまちウィーン中の話題となり、彼の次男が『ホテル・ザッハー』を開業してそこで提供した。ホテルが財政難に陥った際、ウィーン王室ご用達の菓子店『デメル』が資金援助と引き換えにザッハトルテの販売権を得た。それまで門外不出だったレシピは菓子の本などで公開されるようになり、ホテル・ザッハー側がデメルを相手取り商標使用と販売の差し止めを求めて起こした7年に及ぶ裁判の結果「ホテル・ザッハー」のもの(アンズジャムを内側にも挟む)は「オリジナルザッハトルテ」、「デメル」のもの(アンズジャムを表面にのみ塗る)は「デメルのザッハトルテ」として双方に販売が認められた。(Wikipediaより)



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