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"失敗"から学ぶ、
成功する基本のお菓子
vol.4 シフォンケーキ

第4回目は、ふわふわとした軽い食感がおいしい、「シフォンケーキ」。
ヘルシーで人気の高いケーキですが、

「底上げ」や「焼き縮み」という失敗も多いですよね。

失敗原因と細かなコツとポイントを覚え、
見た目も美しい絶品シフォンケーキ作りをマスターしましょう!

底上げの原因

固くなる
  1. ・メレンゲの泡立てが足りない
  2. ・オーブンの温度が低い
  3. ・焼き時間が足りない
  4. ・生地を高いところから流した

 

 

 

 

 

 

 

焼き縮みの原因

広がる
  1. ・焼き時間が短くしぼんだ
  2. ・逆さまにして冷まさなかった
  3. ・完全に冷めていないのに
    型から外した
  4. ・卵黄生地に油を入れてからの
    乳化不足
  5. ・粉を入れてから混ぜ不足
失敗しないシフォンケーキのレシピ
所要時間:約1時間30分(焼き時間含む)
日持ち期間:常温で3日

材料(20㎝シフォン型1台)

  1. ・卵黄 120g
  2. グラニュー糖A 55g
  3. オイル 60g
  4. ・お湯 80g
  5. ・卵白 240g
  6. 少々
  7. グラニュー糖B 65g
  8. 薄力粉(スーパーバイオレット) 120g

下準備

1.卵白と卵黄に分ける。

卵黄、卵白はきっちりわける。

【 失敗の原因はここ! 】

卵白に卵黄が少しでも入っていると、メレンゲの泡立ちが悪くなる。

2.粉をふるう。

ダマや、不純物を取り除き、粉に空気を含ませるために必須。

【 失敗の原因はここ! 】

粉類をふるうことで粒子が均一になるため、生地と混ざりやすくなる。

3.オーブンを180℃に予熱する。

予熱設定したらすぐに焼かずに、5分位経過してから入れることで、 庫内の温度が均等になり、扉を開けても温度が下がりづらくなる。

【 失敗の原因はここ! 】

予熱が不十分だと、生地が膨らまない。

4.卵白をボールごと冷凍庫に入れる。

15分程度(周りが少し凍るくらい)冷凍庫に入れる。

【 失敗の原因はここ! 】

卵白があたたかいと、きめが粗くなる。きめの細かいメレンゲが出来なくなる。

作り方

- 1 -

卵黄をほぐし、グラニュー糖Aを入れ混ぜる。

  1. ・泡だて器を持ち上げると、とろりと落ちるくらいまで混ぜる。

-2-

オイルにお湯(85℃位)を加えたものを1に入れ、泡だて器で均一になるように混ぜる。

  1. ・円を描くように混ぜ、乳化させる。
  2. ・表面に細かい泡が覆うくらいまで混ぜる。

【 失敗の原因はここ! 】

乳化不足の卵黄生地とメレンゲを合わせると、気泡が壊れやすくなる。

- 3 -

ふるった粉を一度に加え、泡立て器で手早く混ぜる。

  1. ・粉っぽさがなくなるまで、しっかりと混ぜる。
  2. ・泡だて器から落ちる生地が、少し盛り上がるくらいまで混ぜる。

【 失敗の原因はここ! 】

粉を入れてから、とろみが出るまでしっかり混ぜることにより、
焼き縮みを防ぐことが出来る。

- 4 -

卵白を軽くほぐし、塩ひとつまみ、グラニュー糖Bのうち小さじ1を入れてハンドミキサーの中速で泡立てて卵白のこしを切る。

  1. ・塩は卵白をほぐし、安定させるために入れる。(レモン汁少々でも可。)

- 5 -

ハンドミキサーの高速にして泡立てる(約3分)。全体のボリュームが増えたら、残りのグラニュー糖の半分を加えてさらに1分泡立てる。

  1. ・卵白だけを泡立てると大きな泡になるため、グラニュー糖を加え、卵白の水分を吸収することにより壊れにくく小さい気泡が出来る。
  2. ・砂糖には卵白の泡立ちを抑える性質もあるので、
    一度に入れず、数回に分ける。

- 6 -

残りのグラニュー糖を加えて高速のままさらに泡立てる。(約1分)

  1. ・全体がもこもことした状態にする。
  2. ・卵白が室温に戻らないように作業は手早くする。

【 失敗の原因はここ! 】

卵白の温度が低くないと、キメの細かいメレンゲが出来づらい。

- 7 -

つやが出て持ち上げると、つのがピンと立って下に落ちてこない状態までしっかり泡立てる。

  1. ・泡立てすぎて、ぼそぼそとしたメレンゲにならないように気を付ける。

【 失敗の原因はここ! 】

メレンゲの泡立てが足りないと、焼き縮みしやすくなる。

- 8 -

卵黄生地のボール(工程3)にメレンゲの1/4を加え、泡だて器で手早く混ぜ、なめらかになったらメレンゲのボールに戻し入れる。

  1. ・メレンゲの泡が多少消えても構わないので、しっかりなめらかに混ぜる。

- 9 -

ゴムべらに換え、底からすくうように大きく混ぜる。

  1. ・約30回を目安に混ぜ、つややかな生地にする。

- 10 -

シフォン型に生地を流し入れ、竹串を刺してぐるぐるとかき回し、表面をなめらかにする。

  1. ・入れた生地に次の生地が重なるように入れていく。
  2. ・余分な空気を抜いて、空洞のない生地にする。

【 失敗の原因はここ! 】

あまり高いところから流すと、余分な空気が入り、生地に穴が開く原因となる。

- 11 -

オーブンで40分~45分焼く。
焼き上がり目安は、一番膨らんだ状態より少し沈んだ時。

  1. ・表面に焼き色が付きすぎる場合は、途中でアルミホイルなどをかぶせる。

【 失敗の原因はここ! 】

オーブン庫内が設定温度に達していないと、うまく生地が膨らまないので、
必ず温度が上がった状態で焼く。
焼きが足りないと底上げの原因となるので、膨らみ状態をきちんと確認する。

- 12 -

焼いたらすぐに逆さまにして冷ます。

  1. ・お酒の瓶などに型の穴を入れ、逆さにした状態で完全に冷ます。

【 失敗の原因はここ! 】

逆さにせず冷やすと、生地がしぼみ縮んでしまう。
完全に生地が冷める前に型からはずしても縮む。

簡単アレンジ

シフォンケーキで作るフレンチトースト

<分量>2切れ分
  全卵  1個
  牛乳  100ml
  砂糖  10g
  メープルシロップ

分量をボールに入れてよく混ぜ、カットしたシフォンケーキを浸す。 卵液がなくなるくらい全体に浸したらバターをひいたフライパンで両面を焼く。(側面も焼く)

お皿に乗せカットしたバナナ、ブルーベリーを飾り、 メープルシロップをかけて 粉糖をふる。

難易度が高いと思われがちなシフォンケーキも、
失敗の原因をきちんと理解して、ポイントを押さえれば、
誰でもふんわりしっとりとした美味しいシフォンケーキを作ることが出来ます。
プレーン生地をマスターしたら、色々な味のシフォンケーキ作りにも
ぜひチャレンジしてみて下さいね!

 

次回のテーマは「スコーン」。
膨らまない、アメリカンスコーン特有のザクザクとした食感が出ない
などの失敗について詳しく解説します。
美味しいスコーンを焼いて、ぜひご自宅でアフタヌーンティーを楽しんでください。

このレシピで使用する材料・道具

筆者紹介

料理教室講師/フードプランナー
石川さくら
地元の洋菓子店、イタリア料理店を経て東京へ。
京都に本店を持つイタリアンなどで勤務した後、和食や洋菓子などのメニュー開発、
レシピ提供等を手掛ける。
現在、大阪市内のレストランに勤務する傍ら、簡単に作れるカジュアルな料理と
お菓子の教室「mamma kitchen」を主宰。

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