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辻口博啓
取材記事② 和をもって世界を制す
数々のコンクールに出場し、世界一の称号をも得た日本人パティシエである辻口さんが、しばしば語るのが「和をもって世界を制す」との言葉。

「僕自身がフランスに行って感じたのは、絶対に僕はフランス人にはなれない、ということ。まず、彫りが深くない(笑)。
それよりも何よりも、日本人であるということのスピリッツ、それこそが付加価値につながるんだと。
フランスの学校に招かれて講師をしたときに言われたのは、フランスで学んだ日本人パティシエの講習を受けてもつまらないと。
要するに、物まねをしている日本人だということ。忠実に再現したところで興味はないよ、と。
反対の立場で考えると、よくわかるんです。例えば、フランスのパティシエが一生懸命、日本のレシピ通りに大福をつくったとして、僕らが興味あるかといったら、ないでしょう? 
でもフランス人が、例えば南フランスの素晴らしいはちみつとか、いちじくを使って大福をつくり始めたら、僕らも興味がわくじゃないですか?
それと同じこと。日本人が日本人としてのスピリッツ、文化を敬愛しなければならないし、そこにこそ世界と戦うキーワードがあると、僕は思います」



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