いい材料を使うところからスタートしているから、出来上がるお菓子の味もまったく変わってくる。
やはり食材が大切で、食材を明確に見分ける目が必ず必要だと思ったから、よい店ではどんな食材を好むのかを、まずは知ろうとした。
アーモンドにしても、ヨーグルトにしても、生クリームにしても、卵にしても、一つ一つの素材そのものが、その店のこだわりになっていることを実感しました」
こう振り返る辻口さんは、その後の自らのお菓子づくりにおいても、変わらず食材を重視してきた。
その中で、いわば食材の大もとともいえる農業への関心を深めていったことは、ごく自然な流れだったのかもしれない。