26歳でフランスから帰国後、東京・銀座『パティスリー・ミツワ』の立ち上げを経験し、東京・自由が丘『パリ・セヴェイユ』を経て、2011年に東京・南品川『レ・サンク・エピス』のオープンに伴い、シェフ・パティシエールに就任。最初にシェフの話があったとき、一度は断ったのだそう。
「そのお話をいただいたとき、前のお店(パリ・セヴェイユ)に入って日が浅く、すぐには辞めたくありませんでした。けれど、『20代後半でこれから結婚も出産もするかもしれない女性が、既存店ではなく新規で立ち上げるお店を任されるなんて、そんなチャンスはなかなかないよ』ってある方に言われたんです。当時の私はまだまだ勉強しなきゃって思っていたのですが、『お店によってやり方は何通りもあるから勉強は永遠に終わらない。自分がやりたい方向性が見えていて、そのお菓子の味を確立する方法が見えてきているなら、後輩に教えながら学ぶという方法もあるんじゃないかな?』って。そして、『独立を考えているなら、自分のお店を出す前にどこかでシェフとして経験を作ってからにした方がいいよ』と。そこで決心がつきました」