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cotta | 誰かを思う。またつくりたくなる。

 

 

 

Interview vol.2
お菓子作りを心から好きになったフランス時代

「MERCI BAKE」の田代シェフが料理の道を志したのは中学の頃。作ることが好きで職人になる方法として料理を選んだという。高校の調理科に進学し、単発で受けた製菓の授業をきっかけにお菓子に興味を持ち、地元の有名菓子屋でアルバイトを始めた。

田代シェフ:

「お菓子の仕上げは仕込みよりも単純だから、アルバイトでもやらせてもらえるんです。それが楽しくて、もっときれいにクリームを絞れるようになりたいなって、そういう見た目の部分に最初は惹かれました。でも、実際は地味な作業ばかりで、『計量が面倒だな』『これを100個作るのか』『同じ作業をこれから1時間続けるのか』ということもお菓子作りには多い。でも、そこに面白さがあったりして、取り組んでいく中で意識が変わっていきました」

高校卒業後の進路は、レストラン、ショップ、ウェディングのセクションで幅広い経験が積めるホテルを選択。東京・赤坂の東京全日空ホテル(現・ANAインターコンチネンタルホテル東京)で3年間働いた後、より深くお菓子を学ぶためにフランスへ渡る。今度は街場のお店で働きたいと、フランスの南東部のリヨンに本店を構える「セバスチャン・ブイエ」に職を得た。

田代シェフ:

「(オーナーパティシエでショコラティエの)セバスチャン・ブイエはモダンな印象があって、トラディショナルなお店で働きたかったから最初は躊躇しました。でも、実際に働き始めたら伝統的なことをしっかりやっているお店で、プードルを挽いたり、プラリネを作ったり、他のお店が端折っている部分をきちんとやっていました。あんなに派手なことをやっているのにこんなにちゃんと作っているのかと、そのギャップが僕にはうれしかった。当時はマカロンが流行していたから、ひたすらマカロンを作った記憶がありますが、すごく面白くて勉強になりました」

言葉もままならなかったフランスでの日々は、忙しくて大変なことも多かったけれど、フランスで働いて、ようやく心からお菓子作りは面白いと思えるようになったと話す田代シェフ。

田代シェフ:

「素材も含めてお菓子のことを好きになれたのは、フランスでの経験のおかげ。日本のホテルでの経験も勉強にはなったのですが、同僚は年上ばかりで、シェフは父と同世代とすごく遠い存在でした。空気がピリッとしていて、服装や髪型にも厳しくて、仕事をする姿勢のようなものを学びましたね。

フランスに行って、お菓子ってこういうことだとわかるようになりました。素材がいいフランスのお菓子には、やっぱり絶対的な良さがある。商品の回転が早いから、お店に並んでいるお菓子はいつも状態がいいものですし、日本で食べていたフランス菓子とは明確な違いがありました。ただし、日本のケーキの方が丁寧で、仕上がりがきれいですね。それから、フランスではみんながお菓子のことをよく知って、奇抜なものを作っても受け入れてくれる土壌があるなと感じました」

自らがオーナーになった今、働き方や時間の使い方、一緒に働く人たちとのコミュニケーションのとり方もフランスで勉強したと振り返る。

田代シェフ:

「僕がフランスにいたのはちょうど労働時間が厳しくなった時期で、1日の労働時間は休憩を入れて7~8時間。自分が使えるエネルギーやパワーは決まっているし、集中して使い切るっていう働き方がいいなと思いました。基本的にはきっちり終えて帰るようにして、夜は学校に行くこともあれば、同僚や友人と飲みに行ったりもしていましたね。

フランス人はプライドが高いけれど、こちらがちゃんとやっている姿を見せれば心を開いてくれる。僕らも、外国の人が和食を習いにきたとして、最初からやさしくできるかどうかというと必ずしもそうではありませんし、フランスは懐が深いなと思いました」

帰国後は、フリーランスのパティシエとして、製菓学校の講師や運営業務、メニュー開発などを行いながら、交流のあったシェフ、相場正一郎さんお店の立ち上げに参加。それが東京・参宮橋のレストラン「LIFE son」だ。隣には東京・代々木上原のルヴァン出身のシェフ、樽井勇人さんがオーナーのベーカリー「タルイベーカリー」もオープンし、この2人のシェフからも多くを学んだという。

田代シェフ:

「帰国してしばらくしてから独立しようと考えていたのですが、一度立ち上げ、店作り、運営を一通り経験してからお店を持った方がいいと声をかけてくれたのが相場さんでした。相場さんの物の捉え方や考え方がすごく好きで、お世話になることにしたんです。お菓子も作りましたが、レストランなのでサービスもやりましたし、お店作りについてはいろいろ学ぶことができました。

また、樽井シェフの素材選びや物の考え方にもすごく共感できて、今の僕のお菓子の考え方にも影響を与えてもらいました。だから、実際にはお店のシステムとお菓子の技術のどちらも勉強させてもらい、自分がやりたいことが明確になりました」

元々、独立してレストランをやりたいと考えていた田代シェフが、ケーキ屋になることを決めたのも「LIFE son」での経験がきっかけになっているそうだ。

田代シェフ:

「お菓子を表現する場としてレストランの方が面白いかなと思っていたのですが、レストランの中ではパティシエの仕事はごく一部。料理やワイン、サービスなどは誰かに委ねる必要があり、自分がちゃんとハンドルを握れるのはせいぜい2割くらい。だったら、普通に街のケーキ屋をやって、新しい表現の形を見つければいいと考えるようになりました」

- Interview vol.3 へ続く -

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