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cotta | 誰かを思う。またつくりたくなる。

 

 

 

Interview vol.3
僕は、パンで闘いたい

「ここに来たら、これを買う」
「これが食べたくて買いに来る」

『ブラフベーカリー』には、そんなファンをもつパンがいくつもある。例えば「ミルクフランス」。取材した日も、ご近所のかたと見られる年配のご夫婦が真っ先にトレイに2個載せていた。男性客のリピーターが多いらしい。 同じパンに小倉あんとマーガリンを挟んだ「小倉ネオ」と肩を並べる人気商品だ。自家製ミルククリームを挟むミニフランスは歯切れ良く仕上げてある。

定番人気のベーグル類も同様で、サンドイッチにすることを前提に引きを抑えた生地で作る。「キャロットケーキ」「バナナブレッド」「シナモンロール」といったニューヨークスタイルの甘いパンにも熱心なファン客がいる。

そんな人気商品たちの中でも栄徳シェフがひときわ「自分らしさ」を表現したのが「ブラフブレッド」だ。「日本の麦でしか出来ない、日本の食パンを作りたい」と考案し、お店の名をつけた。今回はそのレシピを惜しげもなく教えてくださった。

「ブラフブレッド」最大の特徴は国産小麦キタノカオリを100%使い、もっちりとした焼き上がりと繊細な甘みを活かしたこと。

ただ、キタノカオリはトーストした時のサクミに欠けていたため生クリームを多く配合し、サクッとした食感を加えた。予約数ナンバーワンで、特注の専用焼き型を追加しなければならないほどの人気ぶりだ。

スタンダードな角食パン「ホワイトブレッド」、トーストでの心地良い噛み応えをポイントにした山形パン「ヒルクレストブレッド」、全粒粉50%の「ホールウィートブレッド」、そして看板商品の「ブラフブレッド」。好みや気分で毎日の食卓に並ぶ品揃えとなっている。

栄徳シェフ:

「キタノカオリは甘みの強い十勝産のなかでも一番気に入った前田農産さんのものを使っています。一口に国産小麦と言っても、例えばユメチカラは外国麦と同等な製パン性を目標に生まれたものですが、キタノカオリは本当に個性的で世界に二つとない粉です。だからキタノカオリが無かったら作れない食パンになりますよね。乳製品との相性、甘みの付けかた、コク。すべては麦の個性を邪魔しないようにレシピを作り上げました」



前田農産は北海道で循環型農業を営んでいる合資会社。

栄徳シェフ:

「農家さんとつながっていると『食材をダメにするわけにはいかない』という気持ちが強まります。ブレンドも減らしますね。顔の見える人が作ったものは基本的にそのまま、他のものを混ぜない。だって、自分だったらイヤなんじゃないかなと思うんです。農家さんが店に来た時「ああ、うちの粉だけを使って作られたパンなんだ」となれば感じ方も格別なんじゃないかと。そう考えたら、作り方も変わってきますよね。

キタノカオリって毎年ね、味も香りも食感も変わってしまうんですよ。前田さんとも毎年相談しています。ただ、ボジョレーヌーヴォーだって毎年『良い』『悪い』と言われるでしょ。それぐらいの波はあっていいんじゃないかなと思っているんです。それが自然というものだと思うし」

キタノカオリ本来の香りを守るためイーストは発酵臭の穏やかなセミドライを用いる。栄徳シェフは、すべてのパンを最適な粉、酵母、製法の組み合わせで作る。

栄徳シェフ:

「天然酵母にも、メリットもあればデメリットもあります。やはり、素材学と製パン理論は重要になってきます。

ただ、粉は数値だけでなく実際にパンを作って食べてみないとだめですね。うちで使っているものは約20種類です。ベース向きの粉を5種類ほど、残りは個性のあるものを選んできたという感じです」

ミキシングもブラフブレッド作りのカギ。

栄徳シェフ:

「低速で3分混ぜてから、中速でゆっくり捏ねます。中速はタテ(ボリューム)とヨコ(伸展性)をバランス良く伸ばしていく過程。特に、こういうベタつきやすい粉と多めの水を使う場合ヨコの伸びがしっかりないと傷みやすくなって、穴が開いちゃったりするので。伸展性が出るまでキッチリ混ぜています。ブラフブレッド用のミキシングというよりはキタノカオリの扱い方ですね」



1℃の冷蔵庫で長時間発酵させる製法上も、バランスのよい伸展性がある生地をしっかり作っておくことが肝心なのだ。

栄徳シェフ:

「15時間かけてゆ~っくり発酵させるイメージです。仕込む生地の量が多いと発酵が止まりにくいものですが、家庭用ならその点も心配ありません。また、15時間といっても2~3時間前後しようが大した問題じゃないです。例えば『3時に帰って来るつもりだったのに用事が出来て6時になってしまった』という場合、6時から仕込むことが可能です。家庭で作るなら、そこがすごくいいと思って」



一方、焼成中は絶対にオーブンの扉を開けてはならないとのこと。

栄徳シェフ:

「必ずタイマーを使って35分。使うオーブンの機種によって温度には誤差が出ますので、35分で良い色に焼ける温度にしてください。途中で開けるとつぶれてしまいます。そして、焼成後は必ず底の部分を上にして3分ぐらい冷ましてからひっくり返せば、ケービングを抑えることが出来ます。

誰しも小・中学校の同級生で出会わなかっただろうか。さりげなくクラスにいて全然“ガリ勉”風には見えないのに、訊けばなんでも教えてくれる物知りな少年。パン作りに向き合う栄徳シェフにはそんな雰囲気がある。 家族経営で出来るようにと、負担は少なく、品質は良いものを作り続けられる方法を練り上げてきた。

栄徳シェフ:

「経営者として利益を追求するようになると、材料は必ずしもそれじゃなくていいだろうと考えがちですが、粉とか水とかメイン的なものを変えるのはリスクがある。材料を知らないと良いものは作れないですし、活かすにはどうしたらいいかというと、やっぱりきちんと知らなければならない。

今、パン業界には料理出身の人やパティシエだった人など色々います。そういう点で言えば僕は、パン職人の家に生まれて、学校で学び、パン屋で働いてきた、いわば“純血”なんですよね。純血な人間はキッチリ考えなければいけないと思っているんです。料理やお菓子を取り入れるのは悪くない。でもやっぱり、本職の人にかなうわけがないんですよ。だからベースとなるパンというもので闘って行きたいなと思うんです。消去法ではなく、パンが好きだから。僕はパンで闘いたい」

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プロの仕事vol.10 栄徳剛シェフ インタビューvol.3

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