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cotta | 誰かを思う。またつくりたくなる。

 

 

 

Interview vol.3
好きでなければ続かない

木村成克シェフが営む東京・世田谷のパティスリー「ラ・ヴィエイユ・フランス」。2007年のオープンから10年以上が経ち、当初は5名だったスタッフも今は倍以上。オープン時は広々としていた製造現場も今では適正な人数で埋まり、今後もこの人数でお菓子作りを続けたいと木村シェフは話す。

木村シェフ:

「僕らの仕事は、労働基準法のコンプライアンスを当てはめるのが難しいけれど、無制限に夜中まで働くのは間違っていますし、できるだけ早く帰れるように、勤務時間中はよく考えて仕事をしようと伝えています。ここで働いたスタッフも、独立したらお互いにライバルになるかもしれないし、辞めた後も慕ってきてくれる子もいる。どういう形になるにしろ、辞めるときに身についた技術を『返せ』とは言えません。習得したら離れず、本人のものになるのが技術なんです」

フランスで学び、独立した木村成克シェフは、フランス時代の影響もあって1日の労働時間を7~8時間に収めようと考えていた時期もあったという。ところが、フランスではその限られた労働時間がゆえに、さまざまな技術が消え、失われていくという現実があるようだ。

木村シェフ:

「週38~40時間労働だと、すべての技術を受け継ぐのは難しいんです。伝統的な物は、一度消えてしまったら継承する人がいなくなってしまう。フランス人たちもそれをわかっていますが、国のルールだからどうしようもない。でも、中にはそれをやっているパティシエがいて、そういう人は突出していますね」

木村シェフもフランスの伝統を継承したいと考えるひとりだ。木村シェフがフランスにいたのは、周りに侵されていない伝統的なフランス料理やフランス菓子が存在していた時代。それが、今やフランスで抹茶や柚子が珍重されるなど、フランスと日本の食文化はクロスオーバーしている。それも面白いかもしれないけど、本物の伝統の味とは違うと木村シェフ。

木村シェフ:

「僕はやっぱりフランスと同じような素材を使って、同じ感覚でおいしいって言ってもらえるお菓子を作りたいんです。職人の小さなエゴかもしれませんが、僕らの世代でフランスに行った人がクラシックの物を大事にしているのは、そういうところじゃないのかな。今の若い人にとってはクラシックが新しいですし、それは僕らの世代が担い手になってやるべきことだと考えています」

木村シェフは、珍しい食材を使って珍しいものを作るようなサプライズ感を決して否定しない。どういうものが流行っているかを知る必要はあるけれど、新しいものは若い人に任せ、自身は培ってきたものをベースにクラシックなものをやると決めている。

木村シェフ:

「温故知新で、古いものを大事にしたいし、自分でやるやらないは別にして新しいものも知っておきたいというのはありますね。これまで見たり聞いたり食べてきたりしたものの中で、自分がおいしいと思ったものを次は自分の手で作ってみたいというのが僕の原点。そして、自分のカラーを作り、それを支持してくれるお客様を大事にしたい。作ったお菓子が爆発的に売れなくてもいいから、一緒に働くスタッフが作れる範囲でクオリティの高いものを作って、それを口にしてくれるお客様がいればそれでいいんじゃないかと思っています」

そんな木村シェフは、定期的に渡仏し、現地の空気に触れている。パティシエという仕事が好きで、普段は働きづめの木村シェフにとって、これが貴重な休息でありパワーを充電する時間になっているようだ。かつて働いていた職場を訪ねて半日ほど仕事をして、午後から散歩したりオーナーと食事したり、フランスと日本の情報交換をすることでリフレッシュしていると教えてくれた。

木村シェフ:

「若い子にも言うのですが、好きじゃなきゃこの仕事はできないし、それをすることで喜んでくれる人がいるから続けられる。そうでなければ中途半端になってしまうし、どこかで妥協してしまうと思うはず。どうせやるなら、人に認めてもらったり喜んでもらったりした方がいいし、そのためにはどうすればいいかを考えて取り組むようにというのが僕の教育です。お客様においしいって言ってもらったら、やった甲斐があったなと思いますから」

最後に、木村シェフが今後お菓子作りでやってみたいと思っていることは何かを尋ねてみた。

木村シェフ:

「フランスに存在するポピュラーなものを、良い形で日本に紹介したいというのは常に考えています。もう一度基本に立ち返り、まだ作れていないクラシックなお菓子を作りたいですね。たとえば、トリュフ入りのクッキーにフォアグラのアイスを挟んだものなど、お菓子としては新しいですが、フォアグラとトリュフというのは今までもやってきたものなので、ちょっとした組み合わせを変えればできるかもしれない。いずれにせよ、頭の中で想像してみて『食べてみたいな』って思うのが今一番作りたいものですね」

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