お菓子作りの初級者さんから中級者さんでも簡単に出来るガレット・デ・ロワの紹介です。それは、パート・フィユテ(折込パイ生地)は、市販のものを使うこと。ここではブリドールというメーカーのものを使ってみましたが、どこのでも同じように出来ると思います。
中のクリームは、オーソドックスにアーモンドクリームにしてみました。これが一番古典的で、よく使われるものです。これの応用で、クレーム・パティシェール(カスタード)を加えれば、フランジパーニと呼ばれるクリームになります。
ガレット・デ・ロワの由来は古く、これもエピファニー(公現祭)のお祝いのために1月になると、フランス各地で作られる伝統菓子になります。こういったパート・フィユテで作るものや、ブリオッシュ生地に地方によっては、ラム酒漬けのドライフルーツやナッツを折り込んでリング状の大きな菓子パンを焼いたりと、さまざまです。フランスでは1月いっぱいは、このいろんな形状のガレット・デ・ロワを楽しむ習慣があります。
王冠が付くのは、それはエピファニーのお祭りは3人の賢者(王様)が、東方の国からプレゼントを携えて、ベツレヘムの生まれたばかりのキリストを拝しに行ったことの象徴です。そして、中には、フェーブ(空豆の意味がありますが、陶器などで作った小さなプレゼント)を入れて、切り分けられて当たった人が、その年の王様、王妃様となるという面白い慣習が今では残っています。つまり、その日は王様として君臨出来るというわけです。
これが当たると、その年はラッキーなのですが、翌年にはガレット・デ・ロワを買って他の人たちにふるまうことが課せられるという、これまたありがた迷惑のようなルールがあります。
まずは、クレーム・ダマンドの作り方から。
注:レシピの転用・掲載などの二次利用はお断りしております。
ボウルに柔らかいバターを入れて、よく練る。
これに砂糖、卵の順に加え、よく混ぜ合わせる。卵を入れると分離しますが、大丈夫です。卵は室温において温かいと分離しにくくなります。
続けて、アーモンドパウダーとコーンスターチを一緒に合わせたものを入れて混ぜ、最後にラム酒を加えて混ぜる。
使うまで、ふたをした容器に入れて冷蔵庫に保管しておく。
市販の生地を強力粉を打った作業台の上に乗せて、正方形に均一に伸ばす。
直径15cmとそれよりもやや大きめ(16cm程度)の丸型の円盤状のものを使い(お皿でも、セルクルでも何でもいいです)、ナイフで切り取る。
そのまま使わない生地だけを取り除く。
使う生地は動かさないこと。(同じ方向に使う生地が向いていることが、コツです)
まずはベーキングペーパーを敷いた天板に直径15cmの生地を乗せる。卵液(卵黄に少量の水を混ぜて作ったもの)を縁に刷毛で塗る。
作っておいたクレーム・ダマンドを丸口金を付けた絞り袋に入れて、グルグルと円形に絞り出し、それを上3段まで重ねる。
パレットナイフで、きれいに形を整え、入れるのならフェーブを埋め込む。
フェーブの上にパレットナイフで、クレーム・ダマンドをなでつける。
次に下の生地よりもやや大きめに切った生地をそのままそろりと持ち上げて900度回転させてから下の生地に乗せる。
クリームの入った部分に空気が入らないように、両端の生地をうまく貼りあわせて行く。
クリームの部分の境目をよく手で押さえて密着性をよくすることが、中のクリームが焼成の時に流れ出さないコツです。この大きさの丸型の容器などで軽く生地を押さえて、よく密着させるとよいです。
卵液を2度塗り(塗るたびに冷蔵庫で10分ほど冷やす)する。
側面の生地を貼りあわせた部分に卵液が垂れないように気を付けること。
190℃でオーブンに予熱を入れておく。
空気穴をガレットのてっぺんに開ける。
ナイフの背の部分の先端を使って、模様を付けて行く。いろんなパターンがありますが、写真のように流線状に入れるのもひとつです。
生地を完全に下まで切らないように気を付けること。そこからクリームが焼いているときに漏れる原因となります。
縁の部分をさらにもう1度、上下の生地が密着するように指先で押さえて行き、それからナイフの先で縁の側面に切れ込みを入れて、上の生地の部分をクルリと上にひねって持ち上げて行く。
切り込みを入れる間隔は、約8mm程度。
模様が入れ終わりました。
温めておいたオーブンに入れて、このまま40分程度、きれいなしっかりとしたきつね色になるまで、焼き上げる。
この間に、同割シロップを作る。グラニュー糖と水50gを耐熱容器に入れて、予め少しグラニュー糖をとかし、電子レンジで軽く沸騰させるまで加熱する。取り出す時に注意!取り出して、完全に砂糖を溶かす。
まだ温かいガレットの表面に同割シロップを2回ほど、しっかりとハケで塗る。
出来上がり。
数量:《直径15cmのガレット約1台分》
\SNSでシェア/
「簡単ガレット・デ・ロワ」panipopo
© 2006 cotta Co., Ltd.
このレシピを作ったら、ぜひコメントを投稿してね!