1月になると作るフランスの伝統菓子のひとつは、ガレット・デ・ロワ(公現祭のお菓子)。東方の国からの3人の王様(賢人、博士)を表わすロワ(Rois=王様)は、ロワ・マージュ(Rois Mages)と呼ばれるのですが、ヨーロッパの広い地域で昔から公現祭をお祝いするために食されて来ました。
公現祭は1月6日ですが、フランスではガレット・デ・ロワは1月1日の午後2時から売りに出されるのが慣例で、1月いっぱい、あるいは2月になってもまだガレットが売られるお店もあります。
その間、いろいろなお店のものを買い求め、中に入っているフェーブを集めたり、違ったフレーバーやガレットのパイの層のおいしさを楽しんだりします。家族や友達で囲む食卓には必ず1月中に1度は、デザートにガレット・デ・ロワが出て来ると言っても過言ではないでしょう。
このフェーブは今では、ほとんど陶器で出来ています。毎年、違ったフェーブが作られて、それを集めるのも楽しいものです。フェーブが入っているというワクワク感も、またガレット・デ・ロワの魅力でもあるのでしょう。
食べ方は、グループの中で一番若いメンバーがガレットを切り分けます。そして、その中に隠れたフェーブが当たった人がその年の王様、あるいは女王様になれるのです。フェーブももらえるし、王冠もかぶったラッキーな王様、女王様はその次にはガレットを買って、みんなにふるまうのが習わしです。
さて、そのガレット・デ・ロワ、生地はパート・フィユテ(折込パイ生地のこと)と呼ばれます。これを美味しく作るのには、2~3日かかってしまうので、ここでは誰でも作れるように市販のパイ生地を使います。
これを使えば、中身だけを心配すればいいので、簡単に出来ますよ^^ そして、今年のクリームは、アールグレイ味。普通のアーモンドクリームよりも、もっと軽やかな華やかな風味に仕上がります。
注:レシピの転用・掲載などの二次利用はお断りしております。
前日に作っておいてもOK!1晩寝かせた方が、味が馴染んでよくなります。
ボウルに柔らかく練ったバターを入れて、これにキビ砂糖、卵、アーモンドパウダー、コーンスターチ、コアントロー、アールグレイの順に次々に混ぜ合わせて行く。
コツは、卵までは空気を含ませないように泡だて器で、すり混ぜること。(卵はよく混ぜ合わせてね)そこから、ゴムべらに替えて、アーモンドパウダーから順に混ぜて出来上がり。ラップして、一晩冷蔵庫で休ませる。(あるいは、1時間でも休ませると、クリームが膨れることがないので、ガレットからクリームが爆発ということも少なくなります)
パート・ダマンド(アーモンドクリーム)を冷蔵庫から出しておく。硬かったら、室温に戻してから、木べらで練っておく。
まずは粉を打った作業台に長方形のパイシートを乗せます。さまざまな形態のパイシートがあると思われますが、私が使ったのは厚みのあるタイプなのでまずは、厚さ5mm程度にローリングピンを使ってさらに縦長に伸ばす。
コツは、生地中央から上下に均一に伸ばしていくこと。それとパイシートは、冷蔵庫から取り出してすぐに作業をすること。
生地を伸ばして作業台から、ベーキングペーパーやシリコンマットを乗せた天板に移し替えるときには、こうやってローリングピンに巻きつけて移動させます。(注意: 作業が遅くて生地がダレてしまった時には、巻きつけると取れなくなるので、気を付けてね。室温は寒いぐらいの方が、初級者さんに向いています。生地からバターが染み出すことも少ないです)
移動させたら、すぐに生地を元の状態のフラットに。30分ぐらい冷蔵庫で冷やしてから次の作業です。
直径15cm(底に使う)と16cm程度の大きさ(表面に使う)の丸形の2枚をナイフで切り取る。セルクルを使ってもいいし、お皿やボウルの縁など、何でもOK!
そのまま周りの生地だけ取り除く。ここで生地が柔らかかったら、冷蔵庫で天板のまま冷やすこと。(ポイント:切り取った丸形の生地2枚は、実際に使うまで動かさないこと)
20分ぐらい冷やしている間に、卵液を作る。卵黄1個に少量の水を加えて、よく溶きのばす。
15cmの丸形の生地の縁に卵液を塗る。側面に卵液が垂れないように気を付けること。ここがポイント!(どちらの生地も、まだ動かさないこと)
あったら丸口金を付けた絞り袋にパート・ダマンド(アーモンドクリーム)を入れて底の生地中央から、グルグルと円心状に絞って行く。3重ぐらいにドーム型になるように上に行くほど、小さく絞ること。
パレットナイフでドーム型に整えて、よく洗っておいたフェーブを埋め込む。
その部分をまたパレットナイフで整える。
そして、上部の生地(16cmの方)をそのまま優しく持ち上げて、90度回転させて(どちら方向でもOK)、中心点が合うように下の生地に乗せる。
そのまま優しく、生地内部とクリームの部分にエアポケットが出来ないように空気を出しながら、まずはドーム型の中央から縁にかけて、きちんと上下の生地を貼り合わせること。特に生地同士が直接触れているところは、よく貼り合うように丁寧に作業する。この部分を形が変形しない程度に、よく押してくっつけてね。
このまま冷蔵庫で20分程度休ませてから、取り出して、空気穴をてっぺんに開ける。小さな丸形の口金を使うと便利です。なければ、お箸の先などで。表面に卵液を塗る。時間を置いて(冷蔵庫で冷やして=10分ぐらい)、卵液を2度塗りするときれいに焼きあがります。
側面に卵液が垂れるときれいに膨らまないので、注意!
ここからナイフの背の先を使って、模様を入れて行く。上の空気穴から下の部分にかけてぐるりと斜めに入れる。
縁は斜めに生地が貼り合った部分に切り込みを8mm程度の間隔を開けて浅く入れて、上の生地の部分を軽く上にひねって持ち上げる感じに折って行く。
冷蔵庫で20分ぐらい冷やす。この間にオーブンを200℃で予熱を入れておく。
温めておいたオーブンを180℃に温度を落として、ガレットを40分ぐらいかけて焼く。きつね色に焼きあがったら、出来上がり。
この間に市販のナパージュを説明書通りに準備しておく。あるいは同割シロップを作っておく。焼きあがったガレットの粗熱が取れたら、まだ温かいガレットの表面にナパージュか同割シロップ(2度塗り)をハケで塗って、完全に冷ます。
ガレットを切ると、こんな感じです。
グラシンペーパーを、箱の大きさよりも少し大きい程度に整えてから、入れる。さらにワックスペーパーを敷く。
冷めたガレットを置く。
上にフィルムを乗せると、ボックスのふたにナパージュがくっつきません。
ふたを閉めて、グラシンペーパーをボックスに対して斜めになるように留める。リボンを十字にかけて蝶結びにしてから、違う色のリボンを結び目にかけて2度、蝶結びを作る。
シールを貼って、あったらフェーブを両面テープで付けて出来上がり。
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「ガレット・デ・ロワ」panipopo
© 2006 cotta Co., Ltd.
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