フランスを代表するお菓子と言えば、たくさんあり過ぎて迷ってしまうけれど、マドレーヌを考える人は多いと思います。
お茶の時間の焼き菓子には必ず出て来るこのマドレーヌ、代表的なのがレモンの皮のすりおろしが入ったもの。
他にも、例えば焼き上がったマドレーヌにちょっとクセのある松の木のはちみつを注入したりして、蜜入りりんごならぬ、蜜入りマドレーヌを作ったりもします。
マドレーヌの発祥説は2つあって、ひとつは1775年、ポーランド王でもあったロレーヌ公スタニスラス(フランス国王ルイ15世の義父に当たる)のために コメルシー(フランス北東部、ロレーヌ地方)のマドレーヌ・ポルミエが作ったという説がひとつ。
もうひとつは、19世紀に女性パティシエ、マドレーヌ・ポルミエがアスピック型を使って小さなティーケーキを作ったとされる説。
マドレーヌが出て来る有名な本は、マルセル・プローストの『失われた時を求めて』がありますが、この中でマドレーヌを紅茶に浸して食べる有名な描写が出てきます。そしてこの本に出て来るマドレーヌは、ホタテ貝の形をした代表的なマドレーヌ。
マドレーヌはティーケーキでもあるので、カトルカール(パウンドケーキ)と基本形は同じような配合です。
私の作るマドレーヌは焦がしバター(Beurre Noisette)を入れて、味に香ばしい深みとまろやかさを出してあります。そして軽さを出すために、これはオレンジ風味なのでオレンジ果汁を絞って入れてます。
焼きあがりはふんわりと軽く、時間が経つごとに味に深みとコクが生まれて来ます。おいしいマドレーヌを焼きたてから、時間が経っても違う風に楽しめるのが特徴の欲張りマドレーヌ。
今回は、典型的な貝型マドレーヌではなくて、シリコン型のデイジーを使ってみました。これが、とってもかわいくてプレゼントにも最適ですよ。
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生地は前日に作って寝かせておく。
焦がしバターを作る。ブゥール・ノワゼットと呼ばれるように、ヘーゼルナッツの外側の殻の色まで焦がします。中火で鍋に切ったバターを入れて、溶かす。
これをそのまま煮詰めると、沸騰してバターの水分が飛ぶので注意。
さらに進むと、こんなふうに底が焦げ茶色になって、バターにもうっすらと色がつく。ここまで来たら、すぐに火から下ろして濡れ布巾の上に置いてさらに焦げるのを止める。
ボウルに卵を割りほぐして、泡だて器で混ぜる。これに砂糖、はちみつ、オレンジのしぼり汁、牛乳の順に混ぜ合わせる。
ふるっておいた粉類を入れて、泡だて器を垂直に立ててグルグルとゆっくりと力強く混ぜ合わせる。
ダマが出来ないように、よく混ぜる。
まだ温かい焦がしバターを濾しながら、入れて静かに生地と混ぜ合わせる。
刻んだオレンジピールを入れて混ぜる。
ボウルの側面をきれいにしてからラップで覆い、冷蔵庫で一晩寝かせる。
⇒一晩寝かせるのは、粉を泡だて器でよく混ぜるので、グルテン分が強くなっているのを休ませることによって少し和らげることと、マドレーヌのおへその膨らみをよくさせるため。やはりマドレーヌはおへそが出るのが特徴ですからね。
180℃でオーブンに予熱を入れる。
シリコン型を天板に載せて、スプーンか、あるいは丸金口をつけた絞り袋に生地を入れて絞り入れる。だいたい8分目ぐらいまで。絞り袋だときれいに入る。
温めておいたオーブンで20〜25分ぐらい、しっかりと焼けるまでじっくりと焼く。
⇒焼き菓子は何でもそうですが、じっくりと濃い目に焼き色をつけた方がおいしく仕上がります。これが製菓の基本です。焼き色をつけることによって、バター風味が最大限に生かされて、数日経ってもおいしい味を残すことができます。焼きが甘いと、ボケた味で、インパクトが出し辛いです。
焼きあがったら、5分ぐらい経ってから、型から外して網の上で冷ます。
できたマドレーヌは、こんなふうにしっとりときめ細かくフワフワです。。
シンプル+キュートにまとめてみました。デイジー型を使ったので、飾りもデイジーです。
OP袋にマドレーヌをひとつずつ入れて封をする。後ろにマスキングテープでアクセントをつけてもかわいいですよ。
箱に紙パッキンを詰めて、包装したマドレーヌを詰めてスリーブの中に入れる。
上にはマドレーヌ・オ・ロランジュと書いてマスキングテープで留める。
ジャーナルクラフト紙を適当な大きさに切って、箱を包む。上に合わせ目が来るように。上に重なる方の紙は中に少し折り込んで、マスキングテープで留める。両端も同じようにする。
カラフルブレイズで小包風に縛る。十字にブレイズを通したら片結びをして、上でまた片結びをする。
デイジーの飾りをつけて出来上がり。
数量:デイジー型12個分
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「マドレーヌ・オ・ロランジュ(オレンジ・マドレーヌ)」panipopo
© 2006 cotta Co., Ltd.
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