ヴァシェランは、フランスとスイスにまたがる地方で作られる乳牛のチーズの名前でもあります。この言葉を検索すると、ヴァシェラン・モンドールという、とても有名なチーズの名前が出て来ます。しかし、ヴァシェランはデザートの名前でもあって、その由来は形と色がこのヴァシェランチーズに似ているから。昔から同じ名前で呼ばれるこのデザートはメレンゲから作られます。
メレンゲにはフレンチ、イタリアン、スイスと3種類の作り方があることを知っていましたか!?フレンチメレンゲは一番よく使われますね。卵白にグラニュー糖を入れて作るものです。イタリアンメレンゲは、高温のシロップを水とグラニュー糖で作り、それを卵白に糸のように絶え間なく入れ混ぜて作る、しっかりとしたタイプのメレンゲです。そしてスイスメレンゲは、その中間で、最初から卵白にグラニュー糖を少量混ぜてそれを湯せんにかけて温め混ぜて、そのままグラニュー糖を少しずつ加えながらメレンゲを作り、最後に少量のコーンスターチを混ぜて作ります。
ここでは、スイスメレンゲでヴァシェランを作りました。お雛祭り用に3色で。ピンクはストロベリーパウダー入り、グリーンは抹茶入り、白はプレーンで。1度にスイスメレンゲを作り、それを3等分に分けて、それぞれストロベリーパウダーや抹茶をふるったものを加えて絞ります。スイスメレンゲはイタリアンメレンゲよりも作り方は簡単ですが、フレンチメレンゲよりもしっかりメレンゲをキープするので、こうやって1度に作って違う材料を混ぜても、しぼまずに作れるという利点があります。
ヴァシェランにはクリームを詰めます。カスタードも美味しいのですが、オーソドックスにクレーム・シャンティイ(生クリームにグラニュー糖を入れてホィップしたもの)を詰めましょう。ここでもおひな様用に3色で、白、ピンク(苺のピュレ入り)、グリーン(抹茶入り)を作ってみました。ただし、メレンゲが甘いので、クリーム自体は砂糖を控えめに作ります。
飾るものはフルーツがピッタリ。それも酸味が少しある方が美味しいので、苺、ベリーズ(ブルーベリー、ラズベリーなど)、キーウィ、パッションフルーツなどを利用します。
デザートとしてお出しするときには、これにフルーツ系のクーリー(フルーツソース=ピュレでOK)とクレーム・シャンティイを添えてどうぞ!
軽くて、サクサクのメレンゲと、キュートな色合いのクリー
注:レシピの転用・掲載などの二次利用はお断りしております。
用意するもの
・絞り袋と星口金や丸口金
・シリコンマットかベーキングペーパー
湯せんの準備をする。ボウルに卵白を入れて少し泡だて器で混ぜてから、グラニュー糖の3分の1を入れて、このボウルを湯せんにかけながら泡だて器で止めることなく混ぜる。
ボウルの中が40℃ぐらいになったら湯せんから外す。(中はこんな感じになっています)
今度はハンドミキサーの高スピードで、グラニュー糖を少しずつ加えながら、ツヤツヤとしたしっかりめのメレンゲを作る。
ふるっておいたコーンスターチを入れて、ハンドミキサーの低スピードで混ぜ合わせる。
3等分に分けて、ピンク色には、ふるっておいたストロベリーパウダーをゴムべらで混ぜ合わせる。グリーンには、ふるっておいた抹茶をゴムべらでさっくりと混ぜ合わせて作る。
それぞれのメレンゲをお好みの口金を付けた絞り袋に入れて、天板の上にシリコンマットかペーパーを敷いた上に、それぞれ間隔を開けて直径7cmぐらいに絞る。
縁の部分は二回り絞って、土手を作る。
これに自分のアイディアで、いろいろと飾りを絞ってつけてみても。
残りのメレンゲは、別天板に同じくマットかペーパーを敷いたものの上に絞って行く。
100℃のオーブンで小さなメレンゲは60~70分、ヴァシェランは2時間近く、じっくりと空焼きする。
オーブンが途中で熱くなり過ぎだったら、1度止めて放置して、また付けて空焼きを続ける。
底の部分は、ほんのり柔らかい状態で出来上がり。(粗熱が取れると、硬くなります)
万が一、底が冷めても柔らかい場合には、もう1度空焼きすること。
ボウルに生クリームとグラニュー糖を入れて、ゆるく泡立てる。
これを3等分して、グリーンには抹茶を混ぜる。ピンク色には苺ピュレを混ぜて、出来上がり。プレーンのクリームにキルシュを混ぜてもOK。
冷めたヴァシェランにお好みのクリームを詰めて、その上にフルーツや小さなメレンゲを飾って出来上がり。
電子レンジで溶かしたチョコレートなどに苺の先をディップしたものを飾ってもいいですね。他には、チョコレートカールなど、お好みで。
お皿の上に乗せて、クレーム・シャンティイやフルーツソースを添えてどうぞ!
断面はこんな感じです。
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「ひな祭りのヴァシェラン」panipopo
© 2006 cotta Co., Ltd.
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