毎年9月中旬~10月上旬にやってくる旧暦の8月15日は一年で最も美しい月とされ、中国はじめアジアの国々で家族が集まり団欒を楽しみ月にお供え物をして、月餅を送りあったり家族で食べて幸福を祈る大切な習わし中秋節。
それが伝わり中秋の名月(十五夜)は五穀豊穣を祝い感謝する日本ではお供え物の定番は月見団子とお神酒やススキですが、中国の伝統菓子の月餅も加えてみては。
様々な種類があるようですが、一番シンプルなものをなるべく低糖質にできるよう工夫してみました。スヌーピークッキー型でも作れます。
【所要時間目安:30分】
注:レシピの転用・掲載などの二次利用はお断りしております。
また、所要時間に焼成・発酵・生地をねかす・冷やす時間などは含みません。
クルミが生なら160~180℃で10~15分程度ローストしておく。
★シロップ
本格的な広東式月餅の皮には、洋菓子で使う転化糖(トリモリン)とは少し違う、砂糖を煮詰めた糖蜜、転化糖シロップ(カラメルソース)を使う事で、生地の戻り(中国語で回油という)を促し、出来立ては固くてパサパサでも密閉容器に入れて3日程冷蔵することで油が戻りしっとりして複雑な味に。ゴールデンシロップを使う方も。焼き上がった生地の独特の外観も左右するので、使いたい方は入手するか作ってみて下さい。
でもなるべく血糖急上昇を避けたいので、水飴、はちみつ、メープルシロップ等で代用。硬めのテクスチャなら水を足してシロップ状する。作ってみた感じ水分の多いシロップなら50gまで入れると生地がゆるくなるのでかたさをみて入れる量を調整して下さい。
★ゴマ油
普通のゴマ油でも良いですが、食べる時に香るゴマ油がとても美味しいので深煎りで風味が強い濃口タイプがおすすめ。
★皮と餡の比率
月餅の皮は油分が多くよくのびる生地なので、皮:餡は1:2~1:4、本場では1:5のものまであるほど皮は薄くてほとんどが餡のものが多いですが初心者にはそこまで薄く包むのは難しいので皮16~17gと餡33gの1:2で作りました。
★月餅専用型の扱い方はこちら(ID:00024792)のレシピ参照。
ボウルに材料を全て入れて混ぜる。少量でも包みやすい伸縮性をもたせるため、かなりオイリーな生地。まとまってきたら1個あたり16~17gくらいの8等分に計量してわけ、乾燥しないようラップで包み、数時間から一晩冷蔵して生地を寝かせる。一晩でもいいので皮は包む前日に作っておいても良い。
あんこはつぶあんでもこしあんでもお好みで。ゴマあんも美味しいです。
焦げないよう気をつけゴムベラで混ぜながら鍋で火にかけ水分を飛ばすか、耐熱ボウルにあんこをなるべく広げて入れて600w30秒ほど数回レンジにかけて水分を飛ばす。追加の材料によっても水分が奪われるので様子を見ながらで良いが、あまり水分がとんでいないと焼いた時に膨らんで皮が割れる原因に。
私が甘さ控え目好みなのと、なるべく低糖質で水っぽくないあんにするため、きな粉と白のすりゴマ(黒でも可)を加える。あまり多く入れるとあんの甘さが減っていくので、甘いままで良い方は加えなくても良いが、これを入れる事でより香ばしさが増す。加えない場合はしっかり水分を飛ばしておく。
加えた事で少し茶色ぽくなり、このくらいのしっとり具合に。
クルミを刻んで加え混ぜる。これもあんをなるべく甘さ控え目で低糖質にするためなので量はお好みの甘さに合わせて。私は粗めに刻んだクルミたっぷりが好きですが、あまり多くて粗め過ぎるとゴツゴツして成形しにくくなります。年配の方へプレゼントする時は食べやすいよう細か目に刻みます。
お好みで松の実やゴマなど好きなナッツやドライフルーツを加えても。
最後に風味づけのため、ゴマ油を少々かけて混ぜる。量はお好みで。
1個あたり33g程に8等分して丸めてあんこ玉を作りラップをかけて冷蔵で包むまで冷やしておく。
★刷毛
月餅から余分な打ち粉を払う用と、艶出しを塗る用に二本の刷毛が必要になります。艶出しもなるべく薄く塗らないと模様が潰れてしまうし、粉を払う時も繊細な模様が傷ついてしまってはもったいないので、どちらもナイロンやシリコンでなく天然毛の刷毛が良いですが、天然毛が1つしかなければ粉払いに優先して使って下さい。
この皮は手より麺棒の方が伸ばしやすいので、1個分の皮をラップで挟んで、初めからあんこ玉を包みきれるくらいに麺棒で伸ばす。オイリーで良く伸びる生地で、乾燥してなければ透けるくらい薄く伸ばしても破れない。上のラップだけ外し、あんこ玉を置き、
ラップを使って包んでいくと手も汚れずに包める。生地の重なりをラップで押してなじませていくと綺麗に包める。
包めたら、50g用の月餅型を好みの絵柄で準備。入れやすいように少し細長い形にする。
全体に打ち粉(片栗粉やコーンスターチ、焼くので小麦粉でも可)をまぶして余分を払い、月餅型の中にも打ち粉をふって余分を払っておき、型の中にそっと入れて少し平らになるよう押す。
型を平らな場所にあてて、上から軽く数回押す。潰れてはみ出るので、強く押し過ぎない。
型から押し出して型から外す。
余分な打ち粉をハケで払う。
月餅用の型がなければセルクルやシリコン型などに押し入れたり、おまんじゅうのように手で成形するだけでも。
天板に並べて、霧吹きで水をかけて、180℃に余熱したオープンでまず5分焼き、ハケで艶出しを薄く塗り、もう5分焼いたらまた塗り、残り14分程焼成する。
画像は艶出しに卵液を塗った場合。
艶出しは卵黄1つに大さじ1程度の水又はみりんで薄めて薄く塗る。艶出しの粘度が高過ぎたり薄く塗れないと、せっかくの模様が潰れてしまうので塗りやすい粘度に調整する。潰れても焼くと焼き目がついて模様が戻るが、卵焼きのような色になってしまうので薄めに塗る。こちらは卵液が濃すぎで少し模様が潰れてるし黄色ぽくなってます。
画像は艶出しにみりんだけを塗った場合。模様が潰れてしまう事はないが焼き色が薄めになる。みりんにはちみつを溶かして塗ったらもう少し照りが出せるかも。
レシピの1.5倍量で作った場合。50g型なら12個作れるが、上段の3個は100g型で75gの月餅を抜き、中段左の1つだけ75g型で56gの月餅を抜き、残りは50gで合計10個。全て皮:餡は2:1。
焼き上がり。
普通の50g型より平たくなるが、スヌーピークッキー型が50gの月餅にぴったりで、こんなにきれいに抜ける。
焼き上がってもきれいに模様が出ていて、とても可愛いです。
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「月餅☆中秋の名月(十五夜)のお月見に」beans
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